【ローズS】カンタービレ重賞2勝目で秋華賞へ!アーモンドアイ主戦のルメールが紫苑Sに続きライバルを導く

スポーツ報知
4角先頭からそのまま押し切ったカンタービレ(左)

◆第36回ローズS・G2(9月16日・芝1800メートル・阪神競馬場、良)

 第36回ローズS・G2は16日、阪神競馬場の芝1800メートルで争われ、5番人気のカンタービレが4角先頭から押し切り、フラワーCに続く重賞2勝目。騎乗したクリストフ・ルメール騎手(39)は紫苑S(ノームコア)、京成杯オータムH(ミッキーグローリー)に続く重賞騎乗機会3連勝となった。なお、2着サラキア、3着ラテュロスまでに、秋華賞・G1(10月14日、京都)の優先出走権が与えられた。

 またまた、名手がその手腕を発揮した。13番枠から好発を決めたカンタービレを、初コンビのルメールは序盤で一度下げた。「前に馬がいなかったら、かかるかも。そこに気をつけたけど、自分のペースでリラックスできていた」。追い切りで力みがちな性格を把握したうえでの誘導だったが、遅いペースと判断するや、上々の感触が伝わる手綱を押して2番手に収めた。

 「手応えが良くて、勝てると思った」。勝負どころでは無理に抑え込まず、気持ちに任せて4角先頭。一気に抜け出すと、2着に1馬身1/4差をつけて押し切った。「調教でいいスピードを感じたので、自信を持って乗りました。強かったです」。トライアルで最高の仕事を果たし、愛くるしいスマイルで応えた。

 独壇場だ。同じく秋華賞に駒を進めさせた先週の紫苑S(ノームコア)から重賞3連勝。2冠牝馬アーモンドアイの主戦で、本番では手綱を執れない身ながら依頼が集まる。そして、きっちり2つのトライアルで勝利をつかむ。「超うれしいです」。全国リーディングも独走中で、笑みが絶えないわけだ。

 5番人気で最高の結果を出した鞍上に、石川達絵オーナーは感謝。「ジョッキーにお任せしていました。本当に良かった。ただ次はジョッキーが乗れないので、そこは考えないといけませんね」。本番へ少し複雑そうな表情を浮かべて、笑った。

 ライバル候補を自らの手で送り込む形になっているが、相手をたたえつつ、2冠女王の誇りも貫く。「秋から他の牝馬が強くなってきて、G1を勝つためには難しくなると思います。でも、アーモンドアイが一番強いと思います」。自ら最高のお膳立てをして、クライマックスに向かう。(宮崎 尚行)

 ◆カンタービレ 父ディープインパクト、母シャンロッサ(父ガリレオ)。栗東・中竹和也厩舎所属の牝3歳。北海道浦河町・三嶋牧場の生産。通算6戦3勝。総収得賞金は9836万1000円。主な勝ち鞍はフラワーC・G3(18年)。馬主は石川達絵氏。

<吉村記者が秋華賞を占う>

 クラシック上位組が不在だったトライアルを勝ったのは、ノームコアとカンタービレ。いずれもルメールの好騎乗によるところは大きいが、流れに応じて理想的なポジションが取れる立ち回りのうまさは光る。後者は1ハロン延長がカギになるものの、ともに京都の内回り2000メートルは長所を生かせる舞台となるはずだ。

 ローズSで6着に敗れたサトノワルキューレは距離延長に望みを託す形。しかし、発馬が安定しないうえ、本番のコース形態が合うとはいえず、強調しにくい。推せるとすれば、サラキア。小倉で一度使った強みもあったが、ローズS2着は春からの決め手強化を示し、状態面にさらに良化の余地を残す。こちらも直線の長いコース向きだが、器用さも出てきた今なら脚の使いどころひとつで上位進出は可能だろう。

 別路線組ではプリモシーンとミッキーチャームに注目。ただ、2冠牝馬アーモンドアイを倒すまでとなるとどうだろう。ローテーション変更を余儀なくされたラッキーライラックを含め、疑問符をつけざるをえない。オークスからの直行でも、普通の仕上がりで出てくれば、女王の座は安泰とみる。(吉村 達)

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