【菊花賞】エポカドーロ、2冠へ距離の壁乗り越える!

スポーツ報知
2冠を目指す皐月賞馬エポカドーロ。3000メートルの距離克服が大きな課題だ

◆第79回菊花賞・G1(10月21日、芝3000メートル、京都競馬場)

 ダービー馬不在の今年の菊花賞。唯一のクラシックホース、エポカドーロを管理する藤原英昭調教師(53)=栗東=は挑戦者の立場を強調する。母系が短距離型の皐月賞馬が距離の壁を突き破り、12年のゴールドシップ以来の皐月賞、菊花賞の2冠を目指す。 メンバーで唯一、2冠馬となる資格を持っている。実績的には最上位の皐月賞馬エポカドーロだが、3冠最後の決戦を見据える藤原英調教師からは厳しい言葉が口を突いた。「距離はやってみないと分からない。今回は(ここ2走より)600メートル延びる。とにかく、チャレンジ。チャレンジ」。

 父はこのレースも制した3冠馬のオルフェーヴルだが、母のダイワパッションは芝6、7ハロンの重賞を2勝。血統的にベストといえない条件だが、春も皐月賞から2ハロンの距離延長を懸念視された日本ダービーで2着と結果を出した。かからず、折り合いに苦労しない点が大きな武器。自在に立ち回れる操縦性の高さが距離の融通を利かせている。

 前走の神戸新聞杯は出遅れから後方追走を強いられ、4着に敗れた。「思惑通りにいかなかった。いつもとは違う形でレースできたとか、いい方に置き換えたって、何の意味もない」と藤原英調教師。ただ、先行策がかなわなかった中でも直線で一瞬鋭い脚を繰り出したのは高い能力の証し。存在感は示した。

 11日に栗東・CWコースで6ハロン85秒8―11秒9をマーク。「予定通り、いい動きだった。前走後も順調なのが何より」と藤原英調教師が言えば、「落ち着きがありますね」と調教をつける荻野助手も上積みを感じ取る。適性より同世代との対戦という面に重きを置いての菊参戦。状態のよさ、上位の能力で皐月賞馬が距離の壁を乗り越える。(山本 武志)

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