【菊花賞】ジェネラーレウーノ、田辺が菊取りへ「腹をくくっていける」

スポーツ報知
田辺は思いきった騎乗で最後の1冠を狙う

◆第79回菊花賞・G1(10月21日、芝3000メートル、京都競馬場)

 皐月賞3着、日本ダービー16着のジェネラーレウーノは、手綱を執る田辺裕信騎手(34)=美浦・フリー=が独特の言い回しで菊取りへの期待をにじませた。

 普段から心の内はなかなか見せない田辺。しかし、葉牡丹賞から騎乗し続けてきたジェネラーレウーノには、言葉の節々から期待がにじみ出る。

 「僕にとって“まあまあ”いい馬。気分屋で、変に頭がいい。苦しいところを分かっていたり。そういう馬が似合うって? どうだろう。でも、調教のときから苦労して乗ってきた馬。嫌いじゃないかな(笑い)」

 管理するのは矢野英一調教師(48)。09年の開業以来、13年キーンランドC(フォーエバーマーク)、16年中山牝馬S(シュンドルボン)と牝馬の重賞Vはあったが、今年1月に田辺と制した京成杯が牡馬の初タイトルだった。

 「(矢野師は)ひと回り以上、年上だけど、昔から仲良くしてもらってきた。先生が助手だった頃から“くされ縁”みたいな感じ。こういう癖のある馬でクラシックに挑んでいく方が、僕と先生には似合っているんじゃないかな」

 皐月賞3着で迎えた日本ダービーは16着。だが、この大敗は秋に向けて無駄ではなかったと言う。

 「敗因は東京とか距離じゃなかった。負けたことで、僕も先生も思い切りがついた。今回は腹をくくっていける」

 セントライト記念を制し、馬は13日から栗東へ。今回も人気はそれほどないのかもしれないが、自身のG1初Vとなった14年フェブラリーS(コパノリッキー)と照らし合わせて、田辺は言う。

 「リッキーだって最初は人気がなかっただけで、終わってみれば誰もが認める力のある馬だった。本質的に古馬になってからかもしれないし、3000メートルもやってみないと分からない。でも、何とかこなしてほしい。僕自身も気負わず走れたら」

 ダークホースから主役の座へ。人馬の心は静かに燃えている。(川上 大志)

<矢野調教師「すごく落ち着いていた」> ジェネラーレウーノは先週11日に美浦の南Wコースで6ハロン82秒3―12秒6としっかり負荷をかけた後、週末に栗東へ移動。この日は角馬場で入念に乗り込んだ。見届けた矢野調教師は「先週はイライラしていたようですが、今日はすごく落ち着いていた。いい感じだと思います」と納得の表情だ。

 関西圏での競馬は初めて。初の長距離輸送を考慮し1週前の栗東入りを選択したが、どっしりとした姿が頼もしく映る。「スタミナはあるし、心臓も強い」と矢野師。万全の仕上げで、田辺に手綱を託す。

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