【菊花賞】フィエールマン、レース史上最少キャリア4戦目でV!ルメール騎手は2週連続G1制覇&重賞騎乗機会4連勝!

スポーツ報知
ルメールのムチに応えて伸びたフィエールマン(左)が優勝。キャリア4戦目で菊の大輪を射止めた

◆第79回菊花賞・G1(10月21日・芝3000メートル・京都競馬場、良)

 3冠最終戦、第79回菊花賞は京都競馬場の芝3000メートルで3歳馬18頭が争い、7番人気のフィエールマンがゴール前で内からエタリオウを鼻差で差し切って、重賞初制覇をクラシックで飾った。レース史上最少キャリアの4戦目でのVは、01年のマンハッタンカフェ以来となる関東馬17年ぶりの優勝に。クリストフ・ルメール騎手(39)は秋華賞に続く2週連続G1制覇で、自身の重賞騎乗機会連続勝利を4に伸ばした。

 また、また、またルメールだ! ラスト50メートルはフィエールマンとエタリオウ、16年の優勝騎手ルメールと昨年優勝のMデムーロの壮絶な叩き合い。激しいデッドヒートは約15センチの差で、内のフィエールマンに軍配が上がった。府中牝馬S(ディアドラ)から続く重賞4連勝。そして秋華賞のアーモンドアイに続くG1連勝で、今週もリーディングジョッキーが淀を席巻した。

 レースは想定外の連続だった。速くなると読んでいた流れは1000メートル通過が62秒7のスロー。課題の発馬が思いがけず決まったことで、中団をキープできたが、直線入り口では身動きが取れなくなった。「狭くなって我慢しないといけなかったが、抜けられた時はすごい反応だった」。追い比べで負けたと思い、Mデムーロに「おめでとう」と声をかけたが、思わぬ優勝に表情を崩した。

 4戦目での菊制覇は46年アヅマライ、87年サクラスターオーの6戦目を抜く最少キャリア。「瞬発力があって、すごくいい馬。能力があれば経験は要らない。エムバペだって19歳だけど、ワールドチャンピオンなんだから」。今年のサッカーW杯で4得点を挙げてフランスの最年少得点者となり、母国の優勝に貢献した若きエースになぞらえた。

 手塚調教師にとっては牡馬クラシック初制覇。「(競馬学校の)同期の友道、藤原英調教師に置かれているので、よかった」と胸をなで下ろしたが、ラスト1冠へ勝負をかけてきた。「体力以上に走ってしまうので前走もダメージがかなりあった。3戦目までは馬なりで、能力だけで走っていたが、今回は長めの調教を多くして攻めた」。こん身の仕上げが01年マンハッタンカフェ以来、17年ぶりの関東馬Vをたぐり寄せた。

 最少キャリアで大輪を射止めた平成最後の菊の覇者の未来は明るい。「かなり体力を消耗していると思うので、うまくケアして、もっと強いフィエールマンを見せたい」と手塚師。常識を破ったディープインパクト産駒はさらなる頂を目指していく。(橋本 樹理)

 ◆フィエールマン 父ディープインパクト、母リュヌドール(父グリーンチューン)。美浦・手塚貴久厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は4戦3勝。総収得賞金は1億7885万9000円。重賞初勝利。馬主は(有)サンデーレーシング。

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