【天皇賞・秋】スワーヴリチャード、ハーツクライ産駒の成長力見せる!
◆第158回天皇賞・秋・G1(10月28日・芝2000メートル、東京競馬場)
第158回天皇賞(秋)・G1は28日、東京競馬場で行われる。G1馬8頭がそろう豪華メンバーで、中心的な存在は同じ2000メートルの大阪杯でG1初制覇を飾った4歳馬スワーヴリチャード。4歳秋からトップレベルの地位を得た父ハーツクライと重なる成長ぶりを示し、2つ目のタイトル奪取を狙う。
日本最強の称号、そしてその先にある大きな役割を懸けた、スワーヴリチャードの勝負の秋が始まる。庄野調教師の表情が引き締まる。
「ここからの一戦一戦が、本当に大事になってくると思う。なかでも天皇賞(秋)は大きい。将来、種牡馬としても左右される重要なレース。東京の2000メートルのG1を、何としても取らせてあげたい。実績的に合うと思うけど、ベストの舞台であってほしいね」
東京では2度のG1を含み、すべて重賞で〈2〉《1》〈2〉《1》〈3〉着。距離不足だった前走の安田記念でも0秒1差の3着にまとめた。それでも慎重な言い回しをするのは、特別なタイトルだからだ。
今春の大阪杯で悲願のG1初制覇。しかし喜びよりも安ど感が上回った。成長を認めつつも、見つめる先はもっと高いレベルにある。
「3歳の春から秋にかけてフレームがしっかりして、どっしりした。気性も大人になり、見た目にも充実したのはあの時期かな。今年はそこまで目に見える大きな変化はないけど、ここで体つきや骨格、筋肉のつき方などがかたまってくるのかなという印象はある。この血統だからね」
豊かな成長力を誇るハーツクライ産駒。代表産駒のジャスタウェイがG1初制覇を飾ったのが、同じ4歳秋のこのレース。そこから5歳でG1・2勝を加えて、ドバイで世界一まで上り詰めた。5歳秋にジャパンCでG1初制覇したシュヴァルグランも、4歳秋から急カーブの成長曲線を描いた。
「まだ先がありそうだけど、この秋でしっかりしてくるのかなと思う。まだゲートも含めて、レースの内容が粗削り。競馬の中身が成長してほしいね。どこからでも、どういう形でも勝ちきれる。そのへんの成長を見たい。強いメンバーの中で、それをやりたい。まずはジャパンCとの、ここ2戦に集中したい」
休養明けは3戦3勝。レースに行けば全力を出しきるタイプで、信頼は揺るがない。好メンバーの頂上決戦は望むところ。高い壁をクリアしてこそ、求めるところに近づける。(宮崎 尚行)