【マイルCS】ムーア騎手、アエロリットを10年ぶりの牝馬Vに導く

スポーツ報知
モレイラからムーアへの超豪華リレーでG1・2勝目を狙うアエロリット

◆第35回マイルCS・G1(11月18日・芝1600メートル、京都競馬場)

 外国人騎手の勢いはマイルCS・G1(18日、京都)でも止まらない。今週から短期免許で騎乗するムーア、ビュイックが加わり、デムーロ兄弟、ルメールの5人が有力馬に騎乗。10年ぶりの牝馬Vを目指すアエロリット、2年連続の3歳馬Vを狙うステルヴィオ、史上6頭目の連覇に挑むペルシアンナイト、故障を乗り越えG1初挑戦のロジクライ、春秋マイルG1制覇がかかるモズアスコット。今週はG1の掲示板を独占か。また、橋本樹理記者が独自の取材メモで外国人騎手の素顔に迫った。

 名手から名手へ。アエロリットの前走・毎日王冠は、先週のエリザベス女王杯でJRA・G1初制覇を飾ったモレイラとの初コンビで牡馬を撃破。今回のマイルCSはムーアを新たな鞍上に迎え、昨年のNHKマイルC以来となるビッグタイトルを目指す。

 「そんな馬になっちゃったんだなあ、という感じですよね」。菊沢調教師は超一流ジョッキーのリレーに感慨深げだった。ムーアは今年、上半期こそ思うような成績を残せなかったが、7月の仏パリ大賞(キューガーデンズ)で勝利を飾ると、9月15、16日の英セントレジャー(キューガーデンズ)、愛セントレジャー(フラッグオブオナー)でG1連勝。上昇カーブを描いての再来日となる。日本ではG1・7勝を挙げ、マイルCSは15年にモーリスでV。16年3着(ネオリアリズム)、17年2着(エアスピネル)と3年連続で馬券に絡む頼りになるパートナーだ。

 騎手が手腕をフルに発揮できるだけの態勢は整っている。1週前追い切りは美浦・Wコースを単走で行った。自ら騎乗した菊沢師は「自分からしっかり走ってくれるので併せ馬の必要がない。全体的な軽さ、加速がよくなっている。十分ですよ」と、手応えを感じていた。

 京都は昨年の秋華賞(7着)以来だが、心身で成長を遂げた今なら、問題なくこなせるはず。菊沢師も「やってみないと分からないが、克服してほしい」と期待を込めた。状態のよさと鞍上の手腕でマイル王の座を狙う。(西山 智昭)

 ◆ライアン・ムーア(Ryan Moore)1983年9月18日、英国生まれ。35歳。JRA通算119勝、G1【7、3、2、25】

<樹理の取材メモ 馬へ愛情深い「アイスマン」>クールな表情から「アイスマン」と呼ばれることもあるが、温かい一面も。14年ドバイ・シーマクラシックをジェンティルドンナで制した時のこと。直線で窮屈になり、体をひねるように進路を外に切り替えるタフな競馬だったため、レース後すぐに鞍を外そうとしたら、見栄えの問題からカメラマンに止められたという。「それならせめて腹帯を緩めてやってくれ」と気遣ったように、馬への愛情は深い。

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