【マイルCS】今春ヴィクトリアマイル制したジュールポレール、12年V半兄サダムパテックに続く兄妹制覇を狙う

スポーツ報知
兄と同じタイトル奪取へ、牡馬の強豪に挑むジュールポレール

◆第35回マイルCS・G1(11月18日・芝1600メートル、京都競馬場)

 第35回マイルCS・G1(18日、京都)には、“きょうだい”にまつわる物語がある。今春のヴィクトリアマイルを制したディープインパクト産駒のジュールポレールは、12年に優勝した半兄サダムパテック(父フジキセキ)に続く兄妹Vを狙う。

 6年前に半兄が記した蹄跡を追い、ジュールポレールが初の牡馬混合重賞へ乗り込んできた。「夢ですよね」。胸を高鳴らせたのは、兄で12年の同レース覇者サダムパテックも担当していた塩満雄一郎助手。「なかなかないことですから」と目尻を下げた。

 84年以降、延べ8組のきょうだいが同一G1を制覇。阪神JFを勝利したブエナビスタ(08年)とジョワドヴィーヴル(11年、ともに松田博資厩舎)はどちらも山口慶次厩務員が手がけたが、同じ担当者による制覇は非常にまれ。「目はよく似ているけど、性格は真逆。パテックはおとなしくて、妹は気が強い。でも、それがレースに行って結果に結びついているのかな。最近は丸みが出てきて、体形がだいぶ兄に似てきた」と、塩満助手は馬房にいる5歳牝馬に優しいまなざしを向けた。

 体質が弱かったジュールは3歳4月とデビューが遅れたが、休養を挟みながら5歳春のヴィクトリアマイルでG1に手が届いた。「春は(G1出走のための賞金が不十分で)初戦から目イチだった。この秋は余裕を持って仕上げられたし、中間はびっしりやって変わってくる」と上積みを見込む。

 15戦して着外だったのは、距離が長かったエリザベス女王杯16着のみ。主戦の幸が11日の京都で負傷したため鞍上は初コンビの石川に替わるが、「どこでも大負けせずに堅実に走ってくれる。最近は食べたものが実になっている」と塩満助手は充実ぶりを強調した。クラブの規定による引退期限は6歳春で、残された競走生活はあと少し。強豪牡馬を打ち負かし、兄に続くか。(橋本 樹理)

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