【ジャパンC】アーモンドアイが最強!国枝調教師「十分やれる」ルメール「誰も怖くない」

スポーツ報知
アーモンドアイをジャパンCに送り出す国枝調教師(左)

◆第38回ジャパンC・G1(11月25日、東京競馬場・芝2400メートル)

 第38回ジャパンC・G1(25日、東京)で、3冠牝馬アーモンドアイが史上2頭目の3歳牝馬Vを目指す。国枝栄調教師(63)=美浦=は、同じ3冠牝馬のアパパネでは選ばなかった強豪牡馬との戦いを選んだ。

 国枝調教師にとって、ジャパンC挑戦は3度目となる。08年のマツリダゴッホは5番人気で4着。翌09年のマイネルキッツは7番人気で8着。今回は堂々の主役として牝馬3冠を達成したアーモンドアイを送り込む。

 「日本の競馬界が強い馬づくりというものを掲げて(81年に)始まったレース。当時は助手をやっていたけど、やはり憧れのレースだった。ただ、このところ魅力のある外国馬が来なくなってきているのは残念。凱旋門賞とか、ドバイ(国際競走)のレベルが高くなったということなのかな。あの頃のジャパンCには、ワクワクというのがあった」

 個人的に思い入れの強いG1ではあるが、出走を決めたのは調教師として冷静に状態、適性を見極めたうえでのことだ。

 「前走後はいつも通り、ノーザンファーム天栄へ放牧に出して9日に帰厩。順調にきているし、広い東京の方が持ち味が生きるので、ここへの参戦を考えた」

 同じく10年に牝馬3冠を達成したアパパネは秋華賞後、エリザベス女王杯(3着)へと駒を進めたが、強烈な末脚を武器とするアーモンドアイが現状で最も力を発揮できるのは東京の長い直線。計り知れない可能性を感じているから、牡馬との対決にも迷いはなかった。

 「秋華賞までの戦いをみて、牝馬同士では勝負付けがついたかなと思っている。今度は男馬を相手にチャレンジというかね。十分にやれると思っている」

 ルメール騎乗で15日に行われた1週前追い切りを見届けたあとの、明るく穏やかな語り口が調整の順調さを物語っていた。

 「秋華賞の時もよかったけど、確かに今回もいいよ。一番いいのは落ち着いていること。いつもレースでは大丈夫なんだけど、だんだんとメリハリ(オンとオフの切り替え)ができてきて、普段は余計なところで暴れたりとかしなくなった」

 今年も外国馬の参戦は2頭と寂しいが、国枝師が育て上げたアーモンドアイがいる。12年の3冠牝馬ジェンティルドンナに続く“4冠”、史上2頭目の3歳牝馬によるジャパンC制覇へ、競馬ファンをワクワク、ドキドキさせる1週間が始まった。(西山 智昭)

<ルメールに聞く>

 ―ジャパンCで世界の強豪やトップレベルの牡馬に挑みます。

 「ビッグチャレンジだね。でも彼女は特別な馬だから。ハンパない馬。ほとんど完璧。誰(どの馬)も怖くない」

 ―史上5頭目の牝馬3冠を達成した前走の秋華賞はいかがでしたか?

 「結構、難しいレースでした。逃げ馬から10馬身くらい差があり、残り300メートルで届きました。フルパワーを使った。でも、その後も疲れてないみたい。秋華賞は休み明けでした。だから今回は、トップコンディションでいけそう」

 ―1週前追い切りに騎乗した感触は?

 「馬は走りたい感じ。疲れはないです。調子はすごくよかった。フットワークも良くなったね。(いい意味で)そんなに手前を替えていない。1回だけ替えて、そしてすぐ反応できる。上手になったね」

 ―アーモンドアイへの信頼は揺るぎませんね。

 「何でもできる。どのポジションでも、いいレースができる。最後の脚が速くて、いいペースを維持することができる。最初から能力を出してくれた。新馬戦(芝1400メートル)は忙しかったから2着だったけどね」

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