【朝日杯ＦＳ展望】１９８０年のテンモン以来の牝馬Ｖを狙うグランアレグリアが中心

　第７０回朝日杯ＦＳ・Ｇ１が１６日、阪神競馬場の芝１６００メートルを舞台に行われる。

　牝馬で挑戦するグランアレグリア（牝２歳、美浦・藤沢和雄厩舎）は、６月の東京マイルでデビュー。その新馬戦で、その後、ファンタジーＳ、阪神ＪＦを勝つダノンファンタジーに２馬身差をつけると、２戦目の牡馬混合戦のサウジアラビアＲＣも２番手から難なく抜け出し、３馬身半差のワンサイドゲーム。ポテンシャルの高さは疑いようがない。前走では、飛び上がるようにスタートを切るなど、気性が安定しないだけに乗り慣れたルメール騎手騎乗にこだわった陣営の選択はうなずける。輸送をクリアして、力を出し切れば１９８０年（当時は朝日杯３歳Ｓ）のテンモン以来の牝馬戴冠の可能性は高い。

　新馬、特別、重賞を３連勝中のアドマイヤマーズ（牡２歳、栗東・友道康夫厩舎）。３馬身ちぎったスポーツ報知杯中京２歳Ｓに比べ、前走のデイリー杯２歳Ｓは３／４馬身差とやや余裕がなく映ったが、Ｍデムーロは「頭が良く、もう一つ上のギアがある。プラス１２キロと成長していたし、他馬が並んできても負けない馬」と素質を高く評価。父ダイワメジャー譲りの速力、切れを生かす舞台でここはチャンス。

　新馬、小倉２歳Ｓ、京王杯２歳Ｓ３連勝中のファンタジスト（牡２歳、栗東・梅田智之厩舎）。ロードカナロア×ディープインパクトの配合で、スピードと切れを兼備する。小倉、東京へと輸送しながら、１６キロ、１０キロと馬体を増やし、馬体は充実一途。１２００、１４００メートルと距離を徐々に延ばして、結果を出しており、今回のマイルも問題なくこなすはずだ。前走で切れ者アウィルアウェイに鼻差競り勝った内容から、いい勝負根性がある。全３戦とも手綱を執り、この馬の強みを知りつくす武豊騎手の騎乗も心強い。

　勝った新潟２歳Ｓ以来となるケイデンスコール（牡２歳、栗東・安田隆行厩舎）はロードカナロア×ハーツクライの配合。母系からはバランスオブゲームが出ているように早熟性と頑強さを兼備している。

　サウジアラビアＲＣでグランアレグリアの２着に入ったドゴール（牡２歳、美浦・黒岩陽一厩舎）、福島・芝１８００メートルのきんもくせい特別をレコード勝ちしたマイネルサーパス（牡２歳、美浦・高木登厩舎）もエントリー。（大上　賢一郎）