欧州の若き天才マーフィー騎手が日本初参戦!

スポーツ報知
欧州若手のホープ、マーフィーが美浦で調教に初騎乗(カメラ・橋口 真)

 外国人騎手旋風が巻き起こる日本の競馬サークルに、今週から欧州の若き天才が参戦する。初めて日本での短期免許を取得したオイシン・マーフィー騎手(23)=アイルランド=は今年のイギリス・リーディングで2位に入った新進気鋭の有望株。13日に美浦で調教に騎乗した同騎手が止まらない外国人旋風のビッグウェーブに乗るか。

 鮮やかなえんじ色のニット帽とジャケットが、色味の無い美浦トレセンで映えた。関係者の視線を一身に集めたのは、腕達者が集まる欧州のトップクラスで「若き天才」との呼び声が高いオイシン・マーフィーだった。

 主戦を務めるカタールレーシングの勝負服と同じ色に身を包み、ディセンバーS(16日、中山)に出走するプロディガルサンに乗って現れると、幼顔に笑顔がはじけた。「コースが多いし、施設もきれい。五つ星のホテルですね」。この日は3頭の調教に騎乗し、環境の良さを感じていた。

 今年は秋華賞から先週の阪神JFまで9週連続で外国人騎手がG1を勝利。アイルランド生まれの23歳が、そのビッグウェーブに加わろうとしている。世界を代表するアイルランドのA・オブライエン調教師の下で修業を積み、13年5月に騎手デビュー。2年目にして英ダービー(レッドガリレオ=5着)に騎乗する栄誉を与えられたことが、彼の立場を示している。

 物おじしない性格で早い時期から海外に飛び出してきた若きトラベラーの一面も。欧州各国はもちろん、オーストラリア(13/14年)、UAE(14/15年)、香港(16/17年)と活躍の場を世界に広げてきた。その地道な努力が実を結んで、昨年の仏フォレ賞(アクレイム)でG1初制覇。英国馬ロアリングライオン(英エクリプスSなどG1・4勝)の主戦を務めるなど、瞬く間にトップジョッキーの座へ上り詰めた。

 そんな新進気鋭の23歳が日本に興味を持つきっかけとなったのが、12、13年の凱旋門賞で2着に入ったオルフェーヴル。「日本馬は1600~2400メートルのカテゴリーで世界一。減量がなくなった頃から日本の競馬を見て、行くのが夢だった。世界のトップクラスのジョッキーと馬がそろっている」と魅力を語った。

 今週のG1騎乗こそないが、有馬記念ではミッキーロケットの騎乗依頼を受けたのが期待の表れ。「アーモンドアイがいない今回はチャンスは十分ありそう」と、初めて足を運んだ極東の地で早速、存在感を示そうとしている若き天才。今週から目が離せない。(石野 静香)

 ◆オイシン・マーフィー(Oisin Murphy)1995年9月6日、アイルランド生まれの23歳。騎手である叔父のジム・カロティーに騎乗技術を学び、Aオブライエン調教師の下で働く。13年にイギリス騎手免許を取得し、5月にデビュー。デビュー2年目の14年には英G2・テンプルSで重賞初制覇を挙げ、英ダービーで初騎乗。同年のイギリス見習騎手チャンピオンに輝く。17年フォレ賞(アクレイム)でG1初制覇。今年は121勝で英リーディング2位。UAE、英、愛でG1・9勝を積み上げ、G1は通算11勝。UAEや香港でも短期免許を取得してきた。

《マーフィー騎手今週の騎乗馬》

 【15日=中山】

5Rミライオー

7Rミコクイーン

10Rサニーダンサー

11Rフロンテアクイーン

12Rタンタフエルサ

 【16日=中山】

3Rカレンブーケドール

4Rラストクローザー

5Rナスノダケ

6Rレッドアステル

7Rダイワメモリー

8Rサトノブレイズ

9Rエルデュクラージュ

10Rタイセイスターリー

11Rプロディガルサン

12Rクラークキー

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