【有馬記念】絶好調デムーロ兄弟、4週連続G1奪取だ

スポーツ報知
朝日杯FSを勝利して勢いに乗って有馬記念に臨むMデムーロ

◆第63回有馬記念・G1(12月23日・芝2500メートル、中山競馬場)

 12月に入ってのG1優勝騎手はミルコ、クリスチャン、ミルコとデムーロ兄弟が席巻。大一番のグランプリ、有馬記念(23日、中山)もこの兄弟の勢いが続くのか。ミルコが手綱を執る昨年のエリザベス女王杯の覇者モズカッチャン、クリスチャンが初タッグを組む6歳馬パフォーマプロミス。両陣営は色気十分に有馬ウィークを迎えた。

 〈兄ミルコ、モズカッチャンと復権だ〉

 Mデムーロと頂点を極めた女王が、虎視たんたんと復権の機をうかがっている。モズカッチャンは、17年のエリザベス女王杯でG1制覇。今年4戦は未勝利だが、京都、ドバイ、北海道、京都と転戦して『蓄』えた力に、鮫島調教師は期待を込める。「相手は強くなるけど、この馬も強い馬とやってきている。出来さえきちんと整えれば、そんなに差はないと思う」

 2走前の札幌記念は最後方から最速の上がりを駆使して猛追。鼻、頭差の3着だったが、好位や中団で運んできたこれまでと違う形での好走に「レースの幅が広がった」とトレーナーは手応えを明かす。そこから3か月ぶりで、ぶっつけとなったエリザベス女王杯でも3着。4歳の年齢を考えても、決して力の衰えはない。

 16日は栗東・坂路を57秒1―12秒9と少し大きめに乗って、気合を注入した。「乗っていて反応が違うし、上積みを感じます。前走もいい内容だったけど、競馬を使えていたら、差は詰まっていたと思います。一発狙えるのでは、という状態です」と古川助手は期待。叩いた上昇度を加えて、本領発揮だ。(宮崎 尚行)

 〈弟クリスチャン、パフォーマプロミスに好感触〉

 出世レースを制した6歳が、Cデムーロを鞍上に迎えるグランプリで、目下の『勢』いを武器に頂を見据える。パフォーマプロミスはアルゼンチン共和国杯で、初タイトルだった今年1月の日経新春杯に続く重賞2勝目。「デビュー前から素質を感じていたけど、体質が弱くて。若い時は苦労したけど、うまく成長してしっかりしてきた」と藤原英調教師はうなずく。

 その前走が価値のある勝利だ。ゴールドアクター、シュヴァルグラン、スワーヴリチャードと、ここ3年の優勝馬がすべてのちにG1制覇。なかでも15年のゴールドアクターは有馬記念を連勝。またこのレースで4勝を挙げるステイゴールド産駒という血統的な魅力もある。年齢の割にキャリア15戦と少なく、ようやく本格化を迎えた印象があるだけに大一番でも期待が高まる。

 この日は栗東・坂路を力強い走りで58秒1。ラストだけ12秒1と伸ばして刺激を加え、調整を進めた。「いいよ。順調。今が一番いいんじゃないかな。来年になると、また1つ年を取るからな。ジョッキーも先週、いい感触で上がってきた。期待はしているよ」と藤原英師。G1未勝利馬が平成最後の有馬記念で最大の惑星となるか。(宮崎 尚行)

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