【有馬記念】友道調教師、シュヴァルグラン&マカヒキG1馬2頭出しでダービー&有馬制覇狙う!

スポーツ報知
現役続行が決まったシュヴァルグラン。3度目の有馬記念から来年の海外遠征を見据える

◆第63回有馬記念・G1(12月23日・芝2500メートル、中山競馬場)

 先週の朝日杯FSをアドマイヤマーズで制した友道康夫調教師(55)は、有馬記念(23日、中山)に豪華なG1馬2頭を送り込む。引退を撤回し、来年には佐々木主浩オーナーが現役時代に活躍した米国遠征をにらむシュヴァルグラン、ジャパンCをパスして完全復活を暮れの中山で狙うマカヒキ。今年は日本ダービーをワグネリアンで制しており、違う馬で同一年のダービー、有馬記念を制すれば、史上初の快挙。週末まで友道勢から目が離せない。

 ラストランから再スタートの一戦へ―。シュヴァルグランの有馬記念参戦を取り巻く環境は、この1か月で大きく変わった。当初の予定だった年内引退から、急きょ7歳になる来年の現役続行を発表。「ジャパンCの後に決まったんです。年齢による変化も感じないし、まだ走れると思いますから」と友道調教師は言う。

 その視線は新たなステージに向けられている。「一つの目標としてね」とターゲットに挙げたのは米国競馬の祭典、秋のブリーダーズCターフ(11月2日、米サンタアニタ競馬場・芝2400メートル)だ。「サンタアニタは昔行ったことがあるけど、芝は日本と変わらない。アメリカで勝てば、ジャパンCや有馬記念を勝つより、種馬としての価値が上がると思う。全然違うと思うんです」

 父ハーツクライは今、米国で注目を集めている。産駒のヨシダ(牡4歳、モット厩舎)が今年、日本産馬として初のダートG1を制覇。万能な質の高さを証明した。2000年から4年間、メジャーリーガーとして活躍した佐々木主浩オーナーにとっては、馬主として凱旋する形。春は今までと同様に天皇賞が大目標だが、大きな夢が詰まった一年が待っている。

 3年連続の参戦となるグランプリ。超高速決着のジャパンC(4着)後も、調整は極めて順調だ。「ダメージはなかったし、むしろ上積みがあると思う。去年(3着)も不利がなければ、差は詰まっていたはずです」。友道調教師は朝日杯FSをアドマイヤマーズで制し、ここを勝てば、初の最多賞金獲得調教師のタイトルも見えてくる。2度目のダービー制覇を決めるなど、トレーナーにとって充実の一年の総決算。“3度目の正直”でシュヴァルグランが結果を出し、新たな挑戦への足がかりにする。(山本 武志)

<マカヒキはジャパンC回避で上昇>

 マカヒキは天皇賞・秋の疲れが抜けずに、ジャパンCを回避。その後は有馬記念一本に絞り、調整を続けてきた。「1週前は最後までしっかりした走り。ジャパンCを使っていないぶん、疲れはないかな。当時とは動きが違う」と友道調教師は説明する。

 一昨年の日本ダービー以来、国内では未勝利。本来の輝きを取り戻せずにいる。「やっぱりダービーは重みが違う。ダービー馬が駄目と思われたくはないんです」とトレーナー。暮れの大一番で強いマカヒキが戻ってくることを、誰よりも強く願っている。

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