【こちら日高支局です・古谷剛彦】京成杯で重賞初V飾ったノヴェリスト産駒の飛躍に期待

スポーツ報知

 14日に中山競馬場で行われた「京成杯」で、ラストドラフト(牡3歳、美浦・戸田厩舎)が勝利し、ノヴェリスト産駒待望の重賞初制覇を飾った。ロードカナロアの種牡馬成績が、強烈なインパクトを与えているので、他の種牡馬が物足りなく映ってしまうが、近年の日本競馬は、初年度産駒より2世代目の方が子供のレベルが高い傾向にある。ディープインパクトも、初年度産駒からマルセリーナとリアルインパクトがG1馬となったが、その活躍した距離がマイルだったことで、マイラーと決めつける風潮があった。しかし、2世代目で日本ダービー馬や3冠牝馬が輩出されると、その後はあらゆるカテゴリーで有力馬を送り出し、名実ともにNo.1種牡馬となった。

 ノヴェリスト自身は、欧州のチャンピオンディスタンスでG1・4勝の実績がある。17年新種牡馬ランキングでは、ロードカナロア、ヘニーヒューズ、オルフェーヴル、エイシンフラッシュに次ぐ5位だった。産駒はコンパクトな馬が目立っていた一方、元来がおくてなので、初年度産駒の今後も見逃せない。また、この時期に、皐月賞と同じ舞台で重賞ウィナーとなったラストドラフトは、ディープインパクトに初めてG1の勲章を与えたマルセリーナの子供で、さらなる飛躍が期待される。

 先述したが、馬券を組み立てる上で、種牡馬の傾向を早い段階で結論づけたいフシがある。しかし、初年度のサンプル数だけでは、2世代目が出てくる時に痛い目に遭うことは多い。馬産地で取材をしていると、各種牡馬の2世代目は、初年度に生まれてきたイメージを生産者が感じ取り、より配合が合う繁殖牝馬と交配する。だからこそ、初年度とはガラリと傾向が変わることも少なくない。この世代には、ホープフルSで4着に逃げ粘ったコスモカレンドゥラや、阪神JFに駒を進めたローゼンクリーガーなどもいる。次の世代も77頭が血統登録を行い、コンスタントに産駒数が恵まれている点からも、種牡馬・ノヴェリストの今後に注目していきたい。(競馬ライター)

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