【東海S】砂上の新星インティ、5連勝合計30馬身差の勢い見せた!

スポーツ報知
ダイナミックなフォームで坂を駆け上がるインティ

◆東海S追い切り(16日・栗東トレセン)

 フェブラリーSの前哨戦、第36回東海S・G2(20日、中京)の追い切りが16日、東西トレセンで行われた。いずれも圧勝で5連勝中のインティは、栗東・坂路を単走して好時計をマーク。我慢を重ねて脚元の緩さを解消した5歳馬が、満を持して初の重賞に挑む。

 最後まで力強さを保っていた。インティは栗東・坂路を単走。序盤からリズムよくスピードに乗ると、気合をつけられたラスト1ハロン過ぎからも全く勢いが鈍らない。栗毛の馬体を大きく使い、51秒9―12秒3の好時計をマーク。「先週までCWコースでしっかりやっているからね。いい追い切りができた」と、野中調教師が納得の表情で振り返った。

 前走までの5連勝すべてで他馬を圧倒している砂上の新星。2着馬につけた差は順に7、4、4、10、5馬身と、合計で30馬身にもなる。しかし、野中師は苦笑いで振り返る。「もともとつなぎが長くて、柔らかすぎた。後肢の球節が地面につくぐらい、緩かったんです」。走るフォームが固まらず、追い切りでは騎乗者から「何で走るか分からない」と何度も聞いた。実際、デビュー当初はレースのたびに落鉄していた。

 5歳でわずか6戦のキャリアが物語るように、焦らずに起用。じっくりと成長を促してきた“我慢”が、実を結びつつある。ここ2走は落鉄もせず、「以前よりバランスが良くなっている。馬体はほぼ完成にきている」とトレーナーは満足そうな表情を浮かべた。

 今回が重賞初挑戦。「ダートの一線級は層の厚さが半端ない」と冷静に分析しつつ、「厩舎としては、かなり苦労している馬。それだけに、ここもクリアして夢を見られれば」と言葉を続けた。しっかり土台を固め、ようやく訪れた充実期。重賞でも勢いを止めるつもりはない。(山本 武志)

 ◆つなぎ 競走馬の脚で、球節から蹄にかけての部分。脚にかかる衝撃を吸収するクッションのような役割を担っているとされる。この部分の角度や長さで、適性や脚元の強さを測ることも多い。

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