【東海S・ヤマタケが見た】神戸市の「須磨浜」が由来のスマハマ、「1・17」に響かせた復活への足音

スポーツ報知
スマハマ(左)は坂路で迫力満点の動き。8か月の休み明けも万全の態勢だ

◆東海S追い切り(17日・栗東トレセン)

 20日に行われる2重賞の出走馬が17日、決まった。中京の東海Sでも主役候補は4歳勢。坂路で絶好の動きを示したスマハマの復活への過程をヤマタケ(山本武志)記者が「見た」。

 今、競馬界の流行語といえば「強い4歳世代」だろう。ルヴァンスレーヴ、オメガパフュームがいるダート路線にまた一頭、スター候補が戻ってくる。スマハマは昨年2月、ダートの強豪が集まるヒヤシンスSを2馬身半差の快勝。好位から楽々抜け出す走りは衝撃的な記憶として残っている。とはいえ、今回は骨折で8か月ぶりの復帰戦。甘くはない。

 気になる中間の雰囲気を喜多助手に聞くと、興味深い答えが返ってきた。「気難しい面を考慮して、中間は調整パターンを変えたんです」。これまで追い切りを栗東・CWコースで行い、それ以外は坂路に入れていた。しかし、今回は逆だ。追い切りは坂路で行い、それ以外はCWコースへ。「コースではばかつくことが多く、なかなか思うように追い切れなかった。坂路では集中して走れるんです」と説明する。

 この日の最終追い切りは坂路で52秒6の好時計をマークし、ウインクルチェリー(5歳500万)に1馬身半の先着。騎乗した藤岡佑が「やるごとに良くなっている」と言えば、高橋亮調教師も「今日で態勢は整ったと思う」と満足そうにうなずいた。先週は実戦を想定して、ゲートから出していき、Eコースで8ハロン103秒8―11秒8をマーク。休養前より明らかに“濃い”メニューをこなしている。

 神戸市にある「須磨浜」に由来する4歳馬が阪神・淡路大震災から24年の「1・17」に行った追い切りから、確実に伝わった復活への第一歩。いや、神戸のように逆境を乗り越え、進化につながる兆しが漂っている。(山本 武志)

競馬

×