【フェブラリーS Dr.コパオーナー・インタビュー】夢は菜七子&コパノキッキングで米G1・BCスプリント挑戦!

スポーツ報知
コパノキッキングの根岸S優勝の写真を手に笑顔の小林祥晃オーナー

◆第36回フェブラリーS・G1(17日・ダート1600メートル、東京競馬場)

 藤田菜七子騎手(21)がJRA女性騎手として初めてG1に騎乗するフェブラリーS(17日、東京)。コンビを組むコパノキッキングを所有するのは、Dr.コパこと小林祥晃オーナー(71)だ。夢のG1挑戦を前に早々とぶち上げたのは、菜七子との米国G1、ブリーダーズCスプリントの出走。G1初騎乗勝利なら夢は一気に現実のものになる。(聞き手・松浦 拓馬、春木 宏夫)

 ―いよいよフェブラリーSで藤田菜七子騎手がコパノキッキングとコンビを組みます。どのような経緯で、今回の騎乗依頼になったのですか?

 「競馬って、ひとつのストーリーがあるんだよ。そのストーリーはオーナーが決めていいの。去年の8月に『コパノキッキングをフェブラリーSに挑戦させようぜ』って、村山明調教師と話したの。そのために2人でこっそり計画を立ててきた」

 ―カペラS、根岸Sの重賞連勝を含む4連勝で、この舞台にたどりつきました。

 「去年の8月から、菜七子か武豊でいこうって決めてたの。ただこの舞台に出られるとこまでこないとって思ってた。実はカペラSの時に村山調教師と『ちょっと菜七子でいってみないか』って話したの。でも連絡したら他の馬に乗る予定(ブラゾンドゥリスで16着)になっちゃってて…。いよいよ夢きたぜ、って思うね。ここまでにいろんな騎手に勝たせてもらってきたし、感謝ですよね。それは菜七子にも伝えました」

 ―藤田菜七子騎手とは普段から連絡を密に取ってると聞きましたが。

 「普段からメールでやりとりしている。去年の夏以降は、菜七子が自分から『次はこうしたいです』って、メールが来るようになった。こちらの気持ちと違う時も昔はあったけど、最近は彼女の言う通りになっている。ああ成長しているんだな、馬のポイントつかんでるんだな、と思います。パドックでも一番楽しく話せる。心は通じてるジョッキーだと思う」

 ―藤田菜七子騎手のJRA50勝のうち5勝がオーナーの所有馬。

 「個人オーナーとしては最高の勝利数。オレの馬に乗ってる回数が一番多いのは藤岡(康太)。菜七子がデビューしてからだと一番なんだね(注1)。それくらい多く乗ってもらっている。たった3年だよ? ずっと見てきて、うまいなと思うし、彼女の努力だよね」

 ―キッキングに乗るプランがあったという武豊騎手はライバルのインティに乗ります。

 「不公平だよな。強い馬のインティに豊さんが乗って、距離が不安のキッキングに菜七子が乗ってね(笑い)。普通は逆じゃないとね。そうじゃなきゃ面白くないよね(笑い)。でも豊さんは今回のことを一番喜んでくれていると思う。いつも競馬界のこと、ファンのこと、サークル全体のことを考えてくれる人だからね」

 ―何か風水でのアドバイスをしましたか?

 「11日から17日の間って、今年で一番祈願するとかなう1週間なの。理由は11日の建国記念の日ってのが夢をかなえる日。15日から17日が祈念祭が伊勢神宮であるのよ。17日がお祭り当日。彼女には小倉に滞在している時に、どこか近くの神社にお参り行ってきたらと言った。読者のみなさんも近くの神社にお参り行って、馬券が当たるようにってお祈りしてみてください。それでキッキングと菜七子が勝つように、と願ってもらえたら、もっとうれしいね」

 ―具体的に何か運気の上がる食べ物とかはありますか?

 「今年は肉を食べるのがいい。菜七子には、枠順が決まれば、その数字に応じて、ラッキーフードを金曜日にメールする。それを東京に向かう移動の間に食べろってね」

 ―夢がふくらむ1週間になると思います。今後のさらなる夢は?

 「キッキング自体がケンタッキーダービーに出したいと思っていたくらい(注2)だから、アメリカで走らせたい夢はある。できれば、スプリントのブリーダーズカップで。菜七子騎手で行ってみたいね。アメリカだと女性騎手に対して、変な偏見もないんだよね。自分がダートの方が好きなんでね、やっぱりアメリカなんだね。血統的にもダートに合う馬を探している。そうなったら、夢がかなったことになる」

【注1】 菜七子がデビューした16年3月以降の小林オーナーの所有馬のJRAでの騎乗数は40鞍で最多。2位は川須の36鞍。勝ち鞍の5勝もトップで、2位は戸崎の4勝。

【注2】 昨年2月にケンタッキーダービーを含む米国の3冠競走に、デビュー前にもかかわらず登録。発表された直後のデビュー戦を8馬身差で圧勝した。同時に他に2頭が登録されたが、そのうちの一頭、ワークアンドラブも小林オーナーの所有馬だった。

 ◆小林 祥晃(こばやし・さちあき) 1947年5月5日、東京都世田谷区生まれ。71歳。日本大学理工学部建築学科卒。一級建築士、神職、愛知工業大学客員教授。Dr.コパとして、風水・家相を用いた開運術の第一人者。2002年から馬主になり、本名の小林祥晃名義で「コパノ」「ラブミー」「キモン」などの冠名の競走馬をJRA、地方で所有。代表馬は14、15年のフェブラリーSを連覇したコパノリッキー。JRA通算149勝(うち重賞11勝)。

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