【フェブラリーS 菜七子G1に挑む】ついに来た!女性騎手初G1

スポーツ報知
ついにG1の舞台に立つ菜七子。土曜の小倉競馬場パドックでも注目の的だった(カメラ・朝田 秀司)

 今年最初のJRA・G1、第36回フェブラリーSは17日、東京競馬場で行われる。前売り3番人気のコパノキッキングとともに、JRAの女性騎手として初めてG1に挑む藤田菜七子騎手(21)=美浦・根本厩舎=は16日、小倉競馬場で6つのレースに参戦。G1初騎乗Vへ弾みをつける白星は手にできなかったが、JRAの歴史を塗り替える一大決戦の舞台へと移動した。

 ついに歴史が変わる。1996年に細江純子さんら3人のJRA女性騎手が誕生してから23年。菜七子が初めて、G1に臨む日がやってきた。「レースのイメージを、具体的に詰めて臨みたい」。コパノキッキングと挑む大舞台へ、やや緊張した表情を見せながらも力強く意気込みを語った。

 16日は小倉競馬場で6鞍に騎乗し、2度あった4着が最高着順。9Rでは2番人気のウォーターパルフェに騎乗したが、スタートでややつまずいて中団から追走。直線では懸命に手綱を動かし、ムチを入れたものの、伸びきれず4着に沈んだ。「あまり早く(スタートを)出ることができませんでした。走る馬と分かっていたので、早めに外に出していきたいと思っていたんですが…」と悔しがった。この日最後の騎乗となった10Rを終えると、決戦の舞台となる東京競馬場へと移動した。

 移動中も、勝利への“努力”は惜しまなかった。コパノキッキングを所有するのは、風水でおなじみのDr.コパこと小林祥晃氏。そのオーナーから菜七子へ、レース前日に食べるべき「ラッキーフード」の指示が金曜日にメールで飛んでいたのだ。その中身とは、「肉だね。やっぱり牛肉だね」と小林オーナー。最高に運気を上げる牛肉を使ったメニューに舌鼓を打ってから、競馬場へと乗り込んだはずだ。

 「乗せていただけるなら、どんなレースでも乗せていただきたい」。日頃から騎乗する一鞍一鞍に全力を注ぎ、それぞれの馬の特徴を可能な限り引き出し、調教師、厩務員、オーナーの信頼を勝ち得た菜七子。そして、選ばれし馬と騎手にしか踏み入れることのできない最高の舞台にたどり着いた。勝てばもちろん、JRA女性騎手で初めて。G1初挑戦初優勝は史上3人目の快挙となる。夢へのゲートは、15時40分に開く。(松浦 拓馬)

 ◆前走よりいい ○…コパノキッキングは16日16時5分、東京競馬場に無事到着。馬房に入ってからも落ちつきがあり、柴田助手は「輸送に関しては心配する馬ではないので。調子自体は前走よりいい感じがします」と、手応えを口にした。藤田菜七子との初コンビで注目を集めるが、「この間、(調教で)乗ってもらった感じでは合わないことはないと思うので、プレッシャーを感じず普通に騎乗してもらえれば」と、同助手はエールを送った。

 ◆藤田 菜七子(ふじた・ななこ)1997年8月9日、茨城県生まれ。21歳。2016年3月、美浦・根本康広厩舎からデビュー。JRA初勝利は同年4月10日に福島9Rのサニーデイズ。18年8月25日に、新潟で牧原(現増沢)由貴子のJRA女性最多勝記録を更新する35勝目をマーク、16日現在、JRA通算50勝。好きな食べ物は肉、苦手な食べ物はキュウリ、スイカ、漬物。157.4センチ、45.6キロ。血液型A。

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