【フェブラリーS】菜七子フィーバーでも勝ったのは武豊!インティ逃げて7連勝G1初制覇!

スポーツ報知
武豊を背に逃げ切りを決めたインティ(右)。7連勝でダート王の座に就いた

◆第36回フェブラリーS・G1(2月17日・ダート1600メートル、東京競馬場、良)

 藤田菜七子の参戦で大きな盛り上がりを見せた2019年のJRA・G1開幕戦、第36回フェブラリーSは17日、東京競馬場のダート1600メートルで行われ、1番人気のインティが堂々の逃げ切りで優勝。デビュー2戦目から7連勝でG1初制覇を飾った。騎乗した武豊騎手(49)は17年有馬記念(キタサンブラック)以来のG1制覇で、フェブラリーSは歴代最多を更新する5勝目となった。

 菜七子のG1挑戦に盛り上がる府中で、“レジェンド”がその手綱さばきで主役の座を守った。軽快に逃げたインティ。直線の入り口で仕掛けられると抜群の手応えでリードを広げた。武豊の絶妙なペース配分が光り、最後はゴールドドリームの猛追も首差でしのいだ。見事に1番人気に応えた鞍上は「自信を持っていましたが、本当に強かったですね。すごくいいペースで行けた。すごくいいスター誕生だと思います」と、7連勝で初G1制覇のパートナーをたたえた。

 パドックでテンションが上がり、返し馬ではなかなか止まらない若さを見せたが、ゲート入りまでに落ち着きを取り戻した。「2番手で行く想定が頭の中で大きかったが、切り替えて先手を取った」と、内のサクセスエナジーが無理に行かないと見るやハナを主張。前半3ハロンを35秒台で行く陣営の作戦通りに、35秒8のスローに落として勝利を呼び込んだ。

 デビューから体質の弱さに悩まされてきたインティは、慎重に間隔を空けながら大舞台まで階段を上がってきた。自身も初のG1制覇となった野中調教師は「無事かな、とかしか考えてなくて、本当にホッとした」と、喜びをかみ締めた。手にした米G1・ブリーダーズCクラシック(11月2日、サンタアニタパーク競馬場)の優先出走権は、今後の馬の状態や成績を踏まえて検討する方針だ。

 勝利の立役者の武豊は歴代最多のフェブラリーS5勝目で、キタサンブラックの有終の美を飾った17年の有馬記念以来のG1制覇。今年は24勝でリーディングトップと絶好調だ。「ブレイクしてますね。去年はG1を勝てなかったので、最初のG1を勝ててホッとしている。もっとペースを上げて頑張っていきたい」。人馬ともに輝きが増していく年になりそうだ。(坂本 達洋)

 ◆インティ 父ケイムホーム、母キティ(父ノーザンアフリート)。栗東・野中賢二厩舎所属の牡5歳。北海道浦河町・山下恭茂氏の生産。通算成績は8戦7勝。総収得賞金は2億799万8000円。主な勝ち鞍は東海S・G2(19年)。馬主は武田茂男氏。

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