【こちら日高支局です・古谷剛彦】日高地区展示会にファインニードル、グレーターロンドンなど注目新種牡馬続々

スポーツ報知

 12日から始まった、日高地区の種牡馬展示会の様子を、先週に続いてレポートする。13日は、日高町門別のブリーダーズ・スタリオン・ステーションで開催されたが、新種牡馬のグレーターロンドン、社台スタリオンステーションから移動してきたスピルバーグとディープブリランテなど、17頭が展示された。

 グレーターロンドンは、昨年の中京記念で重賞初制覇をレコードで飾った。17年は、安田記念で0秒1差の4着に健闘するなど、トップクラスの実力を誇った。

 「まだやり残していることは一杯ありますが、ここにいらっしゃる皆様に託す形で、自身が成し得なかったG1タイトルを、産駒が叶えてくれることを願っています」と、現役時に管理した大竹調教師がエールを送っていた。スタリオンにほど近い下河辺牧場の生産馬で、故郷に戻ってきたディープインパクト後継種牡馬。15戦のうち、上がり3ハロン最速タイムを8回記録し、そのうち3回は32秒台と、非凡な瞬発力はまさに父譲りと言える。G1勝ちはなくとも、未完の大器に対する注目度は高い。

 また、種牡馬展示会という方式ではないものの、予約制でじっくり生産者に繋養種牡馬を見て頂く「オープンハウス」として、ダーレー・ジャパンスタリオンコンプレックスでは8頭の種牡馬を展示した。

 昨年の最優秀短距離馬・ファインニードルは、父アドマイヤムーンと同じ場所で種牡馬生活を送る。アドマイヤムーン産駒によく見られる気性のきつさが、この展示の時には感じられず、素直な印象を受けた。短距離馬から、必ずしも短距離やマイルで強い馬が出るとも限らず、アドマイヤムーンが本来は中距離馬だったことから、あらゆる可能性を感じさせる種牡馬だ。

 そして、17年ブリーダーズCターフで、ハイランドリールなどを破る大金星を挙げたタリスマニックが、日本で種牡馬入りとなった。大きな流星を持つ派手な顔に加え、腹回りにも白い箇所があり、独特の雰囲気があったことから、フランスでも追っかけがいたほどのアイドルホースだったという。アメリカで大人気のメダーリアドーロの後継種牡馬で、自身と同じく芝のクラシックディスタンスでの活躍が期待される。

 15日は、浦河町のイーストスタッドで開催され、新種牡馬のインカンテーションとシゲルカガ、他場から移動してきたホッコータルマエ、アンライバルド、エーシントップを含む18頭が披露された。

 インカンテーションは、G1勝ちこそなかったものの、フェブラリーSで15年は2着、昨年は3着と善戦。17年かしわ記念でも2着に健闘し、武蔵野Sなど重賞6勝の実績を誇る。日高で人気を博すシニスターミニスターは、ダブルスターに次ぐ後継種牡馬を送り出した形だが、インカンテーションへの関心も高まるところだろう。シゲルカガは、15年北海道スプリントCを逃げ切っている。昨年は、岩手で8連勝を飾って引退し、種牡馬生活を送ることとなった。パイロ初の後継種牡馬として、一発の魅力を秘める。

 来週は、14日に行われた静内地区の種牡馬展示会の様子をレポートする。(競馬ライター)

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