【高松宮記念】ミスターメロディ、鋭く11秒1!中2日のリズムで必勝態勢だ

スポーツ報知
ミスターメロディは芝コースでシャープな伸びを披露した

◆高松宮記念追い切り(21日・栗東トレセン)

 春のG1シリーズ開幕を告げる第49回高松宮記念・G1(24日、中京)の出走馬が21日、確定した。4歳馬のミスターメロディは福永を背に芝コースで鋭い伸びを披露。過去の好走実績から中2日で本番に臨める木曜追いで必勝態勢を敷いた。きょう22日に枠順が発表される。

 手応えと期待に満ちた笑顔で、福永が馬場から引き揚げてきた。ミスターメロディから伝わってきた感触に声を弾ませる。「いい動きやったよ。躍動感があったし、ダイナミックで言うことがない。調子は良さそうやね」

 栗東・芝コースで単走追い。ほぼ馬なりの調整程度でラスト1ハロン11秒1と、鋭い伸び脚に出来の良さが見て取れた。「最後まで気を抜かせないように。コースの走りの方が良く見せるね」。負荷をかけた1週前の栗東・坂路で51秒1の好時計を出したが、さらに上質の感触を得てうなずいた。

 芝で初距離への課題を指摘する質問にも、表情は変わらない。「1200メートルも大丈夫だと思う。もともと前に前に、という気持ちの強い馬。1600メートルの方が『もたせていた』感じ。もっと、のびのび走れるようになると思う。それに右回りでも走れるようになったけど、左回りに戻るのは何の不安もない」と、重賞を制した得意の左回りに自信をにじませた。

 ファインニードルが引退し、絶対王者不在のスプリント界。『黄金世代』の一角として、次世代を担える素質を感じ取っている。「ここでダノンスマッシュが一番手に挙がるように、いまはどの路線も4歳が主役になりつつある。モズスーパーフレアもいるけど、ミスターメロディも4歳だからね」

 個人的に、期する思いもある。97年東京スポーツ杯3歳S(当時の名称)で重賞初制覇をもたらしてくれたキングヘイローが、19日に老衰で死んだ。自身の手綱ではなかったが、(柴田善で勝った)同馬の唯一のG1タイトルが、この高松宮記念だった。「彼にとってのいい思いを僕が提供できなかった身で、いろいろな思いがある。彼が与えてくれた糧を生かして今、現役を続けている。これからも、無駄にしないよう臨みたい」。混戦を断つ、価値ある勝利を天国の盟友にも届ける。(宮崎 尚行)

<メンバー唯一の木曜追い>

 G1出走馬で唯一、木曜追いを選択したのがミスターメロディ。「(追い切りが)水曜と決めつけることがおかしい。生き物なんだからな」。藤原英調教師は狙いを明言しなかったが、過去の好走実績から導き出したのは間違いなさそうだ。

 初タイトルを奪取した昨春のファルコンS、そして2着惜敗の阪神Cがともに土曜競馬。水曜の最終追いから中2日のスケジュールで好走した実績を踏まえて、今回は木曜から中2日で臨めるように、馬のリズムを重視して判断したようだ。

 課題は、芝で初めて経験する1200メートルへの対応。しかし、藤原英師の表情は自信たっぷりだ。「スピードはすごい。いかに、うまく制御できるか。経験を積んで精神的にも成長して、完成されてきた。1200メートルにも対応できる。左回りが一番いい」と全3勝を挙げる左回りを歓迎した。

 過去には、芝1200メートルで結果を残していない馬が6頭も頂点に立った。ハイレベルといわれる4歳世代の外国産馬が新境地で覚醒し、混迷の短距離界を制圧するか。(尚)

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