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日本調教馬の勝ち馬がゼロ 今年の香港国際競走の敗因に迫る

2017年12月14日11時0分  スポーツ報知
  • 香港カップで3着に敗れたネオリアリズム(右)と4着のステファノス

 10日に行われた香港国際競走には、4つのG1に日本から8頭が参戦したが、香港ヴァーズ(芝2400メートル)のトーセンバジルと香港カップ(芝2000メートル)のネオリアリズムの3着が最高着順。日本調教馬未勝利は14年以来だった。

 香港国際競走は、2001年にアグネスデジタルがカップ、エイシンプレストンがマイル(芝1600メートル)、ステイゴールドがヴァーズと、4つのうち3つを日本馬が優勝したことがある。その後も、メインレースであるカップを15年にエイシンヒカリとヌーヴォレコルトが1、2着を独占。16年もモーリスが日本馬連覇を果たし、ステファノスが3着。日本馬にとって結果を得やすい海外競馬と認識されがちだ。

 だが、実際には12回のカップに延べ23頭が挑戦して優勝は3回。マイルは15回(29頭)で3勝、スプリント(芝1200メートル)は13回(25頭)で2勝、ヴァーズは12回(16頭)2勝(すべてG1昇格後の成績のみ)。5回に1回程度しか勝てていない計算だ。

 G1昇格後の香港国際競走を優勝した8頭(うち2頭が2勝)のなかには、史上最強スプリンターとも言われるロードカナロアや、2015年の年度代表馬モーリスといった歴史的名馬が名を連ねている。JRAのG1を勝っていなかった馬は3頭いるが、サトノクラウンはのちに宝塚記念を制覇。エイシンヒカリはのちにフランスのイスパーン賞を勝っており、ステイゴールドはG1・2着4回に加え、G1昇格前のドバイ・シーマクラシック優勝。まぐれで香港国際競走を勝ったわけではなかった。日本のG1では厳しいから香港で…という算段でタイトルを手にできるほど甘い世界ではない。

 欧米からの出走馬に目を転じると、ヴァーズを制したアイルランドのハイランドリールはG1・6勝の名馬で秋3戦目。2着タリスマニックはブリーダーズCターフの優勝馬で、同じく秋3戦目だった。一方で、カップの下位5頭が欧州所属馬(出走6頭)だったように、惨敗も多い。明らかに格下と思われるような馬が上位を争うことはなく、覇を競ったのは能力も意欲も備えた馬だった。

 今年の香港国際競走に出走した日本馬をみると、やや戦力不足だった感はある。8頭のうち、G1馬は4頭だけ。このうちネオリアリズムとサトノアラジンは前走が2ケタ着順。レッツゴードンキのG1勝ちは2年半も前のことだ。前走直後から香港一本ではなく、他のレースと両にらみだった陣営もあり、臨戦過程の面で疑問符のつく馬もいた。積極的なチャレンジには称賛と共感を覚えつつ、個人的には、どこか“緩み”が感じられた今回の香港遠征だった。

(記者コラム 中央競馬担当・富田 洋)

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