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本当の事をわかっているのはジョッキーだけ

2018年6月21日18時0分  スポーツ報知
  • 人馬一体となってゴールを目指すジョッキーたち

 身も蓋もない言い方になるけれど、競馬の取材で“本当のこと”は分からないと思っている。時速70キロで走る馬にまたがり、命懸けで戦う騎手の大変さは、想像をはるかに超えるものだろう。「競馬って、すごいよ。ブレーキもアクセルもないような馬を走らせてやってるんだから」と横山典弘騎手(50)は笑った。

 毎週、当たり前のように競馬を見ているが、ホースマンの確かな技術によって成り立っている。特にジョッキーは、経験した人にしか分からない感覚だと横山騎手は言う。「野球やサッカーは、みんなやったことがあるから、160キロの球を投げることや、それを打つことはすごいことだなと分かる。ゴルフも300ヤードはどうやっても飛ばないから、すごいなと尊敬するけれど、馬乗りは見ている人には分からない」。

 レースと調教は、馬の雰囲気やペースが全く違う。同じライダーでも調教助手とは異なる特別な存在で、横山騎手が常々口にする「本当のことを分かってるのはジョッキーだけ」という言葉が全てを物語っている。

 そんなプロフェッショナルでも、把握できないことがある。状態はいいのに勝てなかった時、厩舎スタッフに言われたそうだ。「『頭痛かもしれないんだよな』って。せん痛(腹痛)になると動きに表れるけれど、頭痛は見た目では分からない。俺たちの分からないところで状態が違うこともある」。競走馬の頭痛は聞いたことがないが、生き物である以上、存在するのかもしれない。

 「ジョッキーは大変だよ」。その言葉の本当の意味を、記者の私が理解するのは難しい。話を聞いて教えてもらいながら、その孤独に少しでも寄り添いたい。

 ◆石野 静香(いしの・しずか)12年入社。同年10月から中央競馬担当。6月11日から3週間、出張で函館に来ています。

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