暮れの阪神から(栗東)

 こんにちは、何と火曜日から山本です。もちろん、栗東からのパッチパチ。ではでは、行ってみましょうか♪

 さて、今の時期の栗東は午前7時から調教が始まるんですが、昨日と今日は午前5時から仕事を始めております。なぜならば、香港遠征を行う馬たちが検疫厩舎と呼ばれる場所に入っていて、トレセン内の他馬がいる時間帯とは別の時間に調教を行うのです。それが午前5時。たかが2時間のように思われるかもしれませんが、されど2時間です。午前6時にセットするアラームを、午前4時に変える時の気持ちは妙に重かったりします。こんな週に我が社でたった一人、栗東で早入り取材をしている「巡り」の悪さを憂うしかありません。

 それに加えて、この2日間は異様に寒かった。まだ真っ暗の午前5時半頃、4度という気温計を見ると、さらに気持ちが重くなります。しかも、取材対象の方々が馬の手入れをしっかりしているため、2時間近く厩舎前で「立ちんぼ」の状態。こんな寒さの中、半袖、薄手の上着、薄手のジャンパーの3枚しか着ていない愚かなワタクシは、久々に震えたりしています。取材が終わった後、ノートの文字を見ると、本当にミミズのような線だらけ。自分で自分が書いた文字を読めないなんて…。

 ということで、この2日間の早朝取材を振り返ると、何かボヤキしか出てきませんので、オチもないままにそろそろ本題へ。ただ、皆さんも暑く感じるぐらいの格好で外出してくださいませ。

 まずは池江厩舎から。10月あたりから2歳馬の入厩が少ないなと思っていたんですが、先週、イッキに入ってきました。従兄弟にアルキメデスを持つブルーエクセレンス(牡、父ディープインパクト、母タッチ2)、母に米G1馬を持つミッキーセレンディ(牝、父キングカメハメハ、母ミスセレンディピティ)、全兄にラブリーデイを持つボッケリーニ(牡、父キングカメハメハ、母ポップコーンジャズ)がデビューへ向けて、まずはゲート試験合格を目指します。

 そして、ゲート試験合格組。まずは来月16日の阪神芝2000メートルでルデュック(牡、父ハーツクライ、母ヒッピー)がルメールJでデビューします。「(ゲート試験合格後の放牧で)しっかりしてきたなという印象です。距離もいいんじゃないですかね。いい馬ですね。走ってくると思います」と池江調教師の評価は高かったですね。

 そして、今週の栗東に戻ってきて、12月22日の阪神芝1800メートルでデビューを予定しているのがリスト(牡、父ディープインパクト、母シルヴァースカヤ)です。全兄にシルバーステイトなどを持つ血統馬で、武豊Jが騎乗する予定です。こちらも夏場にゲート試験に合格しましたが、「馬がしっかりしてきたので、使わずに良かったという感じです。徐々にピッチを上げていきたい」とトレーナーは期待しています。ちなみに脚元の故障が多い一族ですが、「この馬は脚元の問題はありません」と力強く答えてくれました。夏に聞いた時に比べると、歯切れのいい受け答えが印象的でしたね。京都2歳Sを勝ったクラージュゲリエ(牡、父キングカメハメハ)はまだ未定のようです。

 続いては松永幹厩舎。こちらもゲート試験合格後に放牧を挟んでいたミッドライトラヴ(牝、父ロードカナロア、母ミッドタウンレディ)が栗東に戻ってきています。祖母に秋華賞馬のファビラスラフインを持ちます。「先週初めて速いところをやりましたが、良くなって戻ってきましたね」とのこと。阪神3週目の牝馬限定芝1400メートルが本線のようですが、「距離は忙しいかも」とのことで、同週の芝マイルも視野には入っているようです。

 あと、桜花賞馬を母に持つダンスディライト(牡、父キングカメハメハ、母ダンスインザムード)も栗東に入っています。「ゆったりしていて、落ち着いています。まだ全体的に緩いですけど、馬格もあって、まずまずだと思います」とのこと。取材の感触は悪くなかったですよ。ゲート試験合格後も、こちらで進めていく予定のようです。早ければ年内、遅くても年明けの京都で初陣となるでしょうね。

 最後に松田厩舎。先週のカトレア賞で2着だったキンゲン(牡、父ゴールドアリュール)は相手が悪かった印象ですかね。次戦は12月16日、ダート1800メートルの平場を引き続きビュイックJで予定しています。あと、新馬でダービー馬の弟カントルを差し切った後、休養していたサトノウィザード(牡、父ロードカナロア)はすでに調教を再開していて、年明けに復帰するプランがあるようです。

 そして、覚えておいた方がよさそうな感触の新馬が16日の阪神芝2000メートルの新馬に出走するヒーリングマインド(牡、父Tanino Gimlet、母Ancient Art)です。鞍上はビュイックJ。何度か書いているダーレーの逆輸入馬になりますね。「相当に切れる脚を使いそうです。ヨーイドンになっても対応できると思いますしね」と松田調教師の期待度はかなりのもの。タニノギムレット産駒ですから、自然と力も入るんでしょうね。

 今日はここまで、また次回です。ではでは

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