【仏フォワ賞 高橋カメラマンが見た】クリンチャー最下位も、凱旋門賞での巻き返しゼロではない

スポーツ報知
直線で次々と抜かれたクリンチャー(右)(左は優勝したヴァルトガイスト)

 凱旋門賞・仏G1(10月7日)の前哨戦、フォワ賞・仏G2が16日、パリロンシャン競馬場で6頭によって争われ、日本から武豊とのコンビで挑んだクリンチャー(牡4歳、栗東・宮本厩舎)は逃げたが直線で失速し、最下位の6着に敗れた。優勝は地元のヴァルトガイスト(牡4歳、仏・Aファーブル厩舎)。海外競馬の取材経験豊富な高橋由二カメラマンが、今春にリニューアルされた馬場でのクリンチャーの海外初戦をコラム「見た」でつづった。

 リニューアルされたパリロンシャン競馬場。ホームストレッチを歩いてまず感じたのは、路盤の不規則な起伏がなくなっていることだった。芝丈も短くなり、ビッシリと生えそろっており、札幌や函館に近い印象をもった。デコボコ馬場に苦しめられてきた日本馬にとっては朗報であり、クリンチャーもやれるのではとの期待が高まった。

 しかし、コースすべてが同じ状態というわけではなかった。歩いたホームストレッチは、各馬が横に広がって負担も分散されるが、密集して加速する直線の入り口は、レースごとに掘り起こされ荒れていった。

 少し期待していただけに、6着というクリンチャーの結果は残念だった。ただ、今回は天皇賞・春(3着)以来、4か月半ぶりの休養明け。陣営が繰り返して言う「本番を見据えた仕上げ」を考慮すれば、良い“追い切り”になったはずだ。そして次は、マークもされず、自由に立ち回れるはず。相手もさらに強くなり、厳しい戦いになるだろうが、可能性はゼロではない。

 武豊騎手「馬は落ち着いていて状態はよかったと思います。走りも悪くなかったですし、馬場も気にするところはありませんでした。使っていって良くなるタイプだと思うので、次に期待したいと思います」

 宮本調教師「先頭でのレース運びは想定通りでしたが、時計も速く、メンバーも強かったです。ただ、トライアルとしては100%の仕上がりで出走できたと思います。本番では何とか巻き返しを図りたい。レース後も脚もとは異常ありませんし、いつも通り元気です。凱旋門賞に向けてしっかり準備していきたいと思います」

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