【凱旋門賞 武豊騎手に聞く】クリンチャーで7度目挑戦「はね返された」17着…それでも「諦めないですよ」
◆第97回凱旋門賞・仏G1(10月7日・芝2400メートル・パリロンシャン競馬場、良)
凱旋門賞に日本から挑んだクリンチャーは、史上7頭目の連覇を果たしたエネイブルから約18馬身離された17着。日本調教馬の挑戦は、今年も厚い壁にはね返された。武豊騎手(49)はレース後、「諦めない」と再挑戦に強い意欲を示した。
―17着に終わったレースを振り返って。
「この馬としてはベストの状態で臨めたと思います。1番枠が当たった時点で、ある程度はレースを想定できました。取りたいポジションを取れて、道中の感じも悪くなかったけど、直線手前のフォルスストレートあたりで、周りとの手応えの差が…。特に隣(エネイブル)がね。尻尾でもつかもうかと(笑い)。やっぱり強い」
―自身にとっては7度目の挑戦だった。
「ある程度は苦戦を覚悟していたが、ひょっとして、という気持ちもありました。はね返された感じですね。ただ、ここに来なければ、そういうこともできない。毎年、この場にいたい」
―馬場の感触は。
「水分はそれほどないけど、芝丈が短くて、芝がはがれていた。のめるような感じ。今までのロンシャンの重い感じとは違いましたね」
―それはクリンチャーに影響したか?
「みんな同じ馬場で走っていますからね。シャンティイでもオールウェザーでもロンシャンでも走る馬は走る。いつも馬場のせいにしているみたいに受け取られるけど、それを含めてのトライですから」
―今回の遠征を振り返ると。
「ここに来なければ、可能性は0%。今回の遠征もこれが経験になると思います。今後につなげないといけない。馬場入場の時にスタンドを見ると、格好いいな、と思いますよね。いつかここで勝ちたい、と強く思いました。日本馬が勝つことは必ずあると思うし、その時に僕が乗っていることがベスト。諦めないですよ」