【コーフィールドC・能力分析】チェスナットコートとソールインパクトに立ちはだかるライバルたちを分析

スポーツ報知

 G1コーフィールドCが10月20日に迫った。今年は日本からチェスナットコートとソールインパクトが参戦。小欄では日本馬に立ちはだかるライバルたちを紹介する。

 過去10年のコーフィールドC優勝馬の調教国を振り返ると、地元オーストラリア調教馬が6勝、2着4回、3着9回。地の利を生かして好成績を残している。今回のメンバーを見ると、豪州調教馬の大半をヨーロッパからの移籍組が占めているが、地元勢から狙うなら“生え抜き”の実力馬が面白い。

 豪州調教の勝ち馬6頭について調べると、そのうち5頭が生産国、デビュー地ともに豪州という“生え抜き”の馬だった。残りの1頭もニュージーランドで生まれて同国でデビューしたのちに豪州へ移籍した馬だから、豪州調教馬は、オセアニア(豪州、ニュージーランド)出身を上位に取るのが良さそうだ。今年のメンバーでは、ヤングスターとエースハイが有力候補に映る。

 ヤングスター(牝4歳、豪・ウォーラー厩舎)は今年4月に初勝利を挙げると、勢いに乗って4連勝で5月のG1クイーンズランドオークス(芝2200メートル)を制覇。続く同舞台のG1クイーンズランドダービーでは牡馬を相手に3着に入った。

 前走のG1ターンブルSでは、ワールドベストレースホースランキング首位に輝くウィンクスの2着に好走。レース後、手綱を取ったケリン・マカヴォイ騎手は現地メディアに「素晴らしい走りだった」とパートナーを絶賛し、コーフィールドCへ向けて確かな手応えをつかんだ様子だった。エンジンのかかりが遅い馬ではあるが、ひとたび点火すれば力強く息の長い末脚を使う。2400メートルの距離はいかにも合いそうだし、51・5キロの軽ハンデも魅力だ。

 エースハイ(牡4歳、豪・ペイン厩舎)は、 昨年9月のG2グローミングS(芝1800メートル)、10月のG1スプリングチャンピオンS(芝2000メートル)、11月のG1ヴィクトリアダービー(芝2500メートル)と、重賞3連勝で能力の高さを証明済み。2000メートル以上のレースでは、快勝した前走のG2ヒルS(芝2000メートル)を含めて5戦3勝、2着1回と安定している。

 欧州からの遠征馬では、イギリスのベストソリューション(牡4歳、ビン・スルール厩舎)を推したい。今年3月のG1ドバイシーマクラシックでは5着。展開や馬場の恩恵を生かして逃げ切ったホークビルはともかく、2着ポエッツワード(のちに“キングジョージ”制覇)、3着クロスオブスターズ(先日の仏G1凱旋門賞で3着)、そして4着レイデオロと、今となって思えば強力なメンバーを相手に善戦していた。

 約3カ月の休養を経て7月の英G2プリンセスオブウェールズS、8月の独G1ベルリン大賞、9月の独G1バーデン大賞と芝2400メートルの重賞を3連勝して、本格化をうかがわせている。特にベルリン大賞は、スタートで大きく出遅れる不利がありながら、最後方から追い込みを決めるという強い内容だった。今回はトップハンデ57・5キロを背負うが、近走の充実ぶりから侮れない。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、南関東版・競馬ブックと研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。凱旋門賞は◎〇△で3連単をズバリ的中。

競馬

×