【香港国際競走】女王リスグラシュー、ヴィブロス、ディアドラそろって2着…2年連続日本馬0勝

スポーツ報知
香港ヴァーズでリスグラシュー(右)はエグザルタントとの追い比べに首差で屈した

◆香港国際競走(12月9日・シャティン競馬場)

 JRA海外馬券発売対象の香港国際競走が9日、シャティン競馬場で行われた。日本からG1馬6頭を含む9頭が4つのレースに参戦したが、牝馬のリスグラシュー(ヴァーズ)、ヴィブロス(マイル)、ディアドラ(カップ)がそれぞれ2着と惜敗。3年ぶりに未勝利に終わった昨年に続き、日本馬の勝利はならなかった。スプリントでは、今年の春秋短距離G1を連覇したファインニードルが8着に敗れた。優勝はすべて香港馬だった。

    <ヴァーズ リスグラシュー、一度は先頭も>

 前走のエリザベス女王杯で悲願のG1制覇へと導いてくれたモレイラを背に、リスグラシューは海外初出走。後方からまくって直線で一度は先頭に立ったが、内から抜けてきた地元馬エグザルタントに差し返され首差2着。G1・2勝目はならなかった。「勝った馬はこの競馬場で走っている。残り600メートルで他馬と接触し、それが最後に影響したと思う」とモレイラ。矢作調教師は「勝ったと思いました。騎手はうまく乗ってくれたので我々の力不足。また海外に挑戦したい」と雪辱を誓った。

         <ヴァーズ コメント>

 岩田騎手(クロコスミア=10着)「早めに後ろから来られましたが、この馬のレースができました」

      <マイル ヴィブロス健闘ラストラン>

 地元の雄ビューティージェネレーションが逃げ切り、圧倒的な強さで連覇を飾った一戦。ラストランのヴィブロスは中団から脚を伸ばし、3馬身差の2着に食い込んだ。日本のG1牡馬2頭が振るわないなか、17年ドバイ・ターフを制した牝馬が最後も存在感を発揮。ビュイックは「勝った馬が世界一のマイラーだから仕方がない」と感服。友道調教師は「海外が好きなのかドバイ同様に落ち着いていた。負けはしたが、この馬なりに頑張ったと思う」と、ゆかりの血統馬の勇姿をたたえた。

          <マイルコメント>

 Mデムーロ騎手(ペルシアンナイト=5着)「馬の状態はすごくいい感じでした。3、4コーナーで上がっていったけれど馬場が速すぎて前が止まりませんでした」

 ルメール騎手(モズアスコット=7着)「スタートから行き脚がつきませんでした。とても残念です。いつものような末脚も見せられなかったのも理由が分かりません」

<カップ ディアドラは橋田調教師「持ち味発揮してくれた」>

 17年秋華賞以来のG1制覇を狙ったディアドラは、中団外から猛追。伏兵グロリアスフォーエバーが逃げ切る前残りの展開で、大勢は決したあとだったが、1馬身差の2着に突っ込んだ。前走の府中牝馬S後は状態面を考慮し、ここに目標を定めて参戦。3月のドバイ・ターフ(3着)に続く健闘に、ルメールは「サングレーザーの後ろを追走し、全力を出しました」と一定の評価。橋田調教師も「ペースが落ち着き最後に差しきれなかった。この馬の持ち味は発揮してくれた」と振り返った。

          <カップコメント>

 モレイラ騎手(サングレーザー=4着)「いい競馬をしたけれど、香港の馬が強かったです。良く走ってくれました」

 ビュイック騎手(ステファノス=9着)「スタートが遅くなったので、内にポジションをとりました。ラスト100メートルからはワンペースになってしまいました」

  <スプリント ファインニードル、直線で失速し8着>

 史上5頭目の春秋スプリントG1制覇を果たし、4月のチェアマンズスプリントプライズ(4着)の雪辱を期したファインニードル。発馬ひと息から追い上げて好位を追走したが、直線で失速して8着。ロードカナロア(12、13年連覇)以来の勝利は果たせなかった。川田は「馬の状態はスプリンターズSより素晴らしく良かったです。(ゲート内で)待たされて馬が気持ちを失ってしまい、その分ルーズにスタートしてスピードに乗れませんでした」と振り返り、パートナーをねぎらった。

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