【ドバイ国際競走「海外G1制覇 名牝の蹄跡」】4歳シーキングザパールが日本調教馬初の快挙!

スポーツ報知
シーキングザパールの海外G1初制覇を伝える98年8月10日付最終面(東京版)

◆ドバイ国際競走(30日・メイダン競馬場)

 2019ドバイワールドカップデーは30日、UAEのメイダン競馬場で行われる。最大の注目はドバイ・ターフ(芝1800メートル)に出走する昨年の年度代表馬、アーモンドアイ(牝4歳、美浦・国枝厩舎)。最強牝馬の出陣へ向け、これまで海外G1で勝利を挙げた名牝5頭を振り返る「海外G1制覇 名牝の蹄跡」がスタート。第1回はシーキングザパール。

 日本調教馬の海外G1初制覇はアーモンドアイと同じ4歳牝馬によって成し遂げられている。1998年8月9日に仏ドーヴィル競馬場で行われたモーリスドゲスト賞(芝1300メートル)。シーキングザパールはコースレコード1分14秒7で逃げ切り。ゴールの瞬間、武豊は右手で力強くガッツポーズ。「今度はムチを落としませんでしたよ」と同年春、スペシャルウィークで日本ダービー初制覇を果たしたゴール前のハプニングを引き合いに出し、笑いを取った。

 フランスでのG1だったが、イギリスでの調教を選択した森秀行調教師。「一緒に遠征したタイキシャトルはどこで調教しても勝てるけど、パールは違う。日本の坂路に近い『サイドヒル』があるニューマーケットにし、うまくいった」。入念に現地の環境を研究し、日本初の栄誉をつかんだ。

 同じドーヴィル競馬場で翌週に行われたジャックルマロワ賞は藤沢和厩舎のタイキシャトルが勝ち、日本調教馬が2週連続海外G1制覇。21年前は日本競馬の開国の年といえる。「ドバイは直行便で北海道への輸送よりも時間は短い。現地の環境もいいし、アーモンドアイも動じることはないと思うよ」と森師。今年も武豊―森コンビでゴールデンシャヒーン(マテラスカイ)へ出走予定。海外遠征のパイオニアの意欲に衰えはない。(内尾 篤嗣)

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