【ドバイ国際競走】アーモンドアイ、昨年のジャパンC驚異のレコードVからさらに進化!

スポーツ報知

◆第24回ドバイ・ターフ・G1(3月30日・芝1800メートル、メイダン競馬場)

 【ドバイ(UAE)25日=ペン・坂本達洋】JRAの海外馬券が発売されるドバイ国際競走(30日、メイダン競馬場)のターフ・G1(芝1800メートル)に、日本最強牝馬のアーモンドアイが出走する。驚異のレコードで古馬を蹴散らした昨年のジャパンCから4か月ぶりの実戦になるが、さらに進化した姿を複数の関係者が証言した。

 アーモンドアイの魅力は規格外の強さにある。さらに言えば、まだ全く能力の底を見せていないところだろう。国枝調教師の「どこが限界か、分からないところがある。なかなかどころか、こんな馬はいないよ。心肺機能とか、全てにおいて優れている」という言葉は、世界レベルへの進化を予感させる。初めての海外遠征となるドバイ・ターフで世界の強豪と渡り合うが、それを裏付ける見方をする関係者は多い。

 証言〈1〉ノーザンファーム天栄・木実谷(きみや)雄太場長「ジャパンCは速い時計の決着だったので、結構疲労感はありました。でも他のレースより回復に手間取ったとかはありません。デビューして1年ちょっとがたって、回復力や体質的な強化もあって、順調な回復ぶりだったと思う」

 従来の記録を1秒5も上回る驚異のコースレコード(2分20秒6)で圧勝したジャパンCは、レース後の反動が大きかったのは想像に難くない。そこからきっちりと立て直せたことは、圧倒的なパフォーマンスに耐えうる馬体面の成長を物語る。そして年明け2月下旬の帰厩後は、ひと皮むけた姿を見せた。

 証言〈2〉国枝厩舎の担当・根岸真彦助手「やっぱり見た感じから筋肉などひと回り大きくなって、動きもパワーアップしている。僕も坂路でやった時、馬なりで時計は(ラスト1ハロン)12秒半くらいかなと思ったら…。まだ全然いける感じだったので、感覚が狂ってきます」

 2月27日に騎乗した美浦・坂路での追い切りは、52秒3―11秒8とスムーズな加速で抜群の時計をたたき出した。楽な身のこなしからイメージした時計とのズレは、さらにスピードが磨かれた証拠だ。その進化は推進力の源である脚元に表れている。

 証言〈3〉牛丸広伸装蹄師「専門的な用語だと『仮性内向肢勢(かせいないこうしせい)』と言って、スピードがすごい速い馬はそうなる。速く走るためには、(内から外へ地面をつかむように)自分の体幹に脚の向きが全部寄っていく。後脚も前脚も体の真ん中へ」

 より速く走れるように、体の使い方にも明らかな変化が見られるという。牝馬3冠、そしてジャパンCとG1・4勝をもぎ取った昨年から、レベルアップしていることは間違いない。

 もともと精神面は、うまくオンとオフの切り替えができるタイプという。国枝師も「メンタルはそんなに変わらないし、落ち着いていい感じ」と、慣れない異国の環境にも順応できると見込んでいる。世界制覇に向けた試金石の一戦へ、絶対女王の進化した強さが見られるだろう。(坂本 達洋)

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