記者は取材が9割

大阪本社編集局編集センター 金川誉

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たくさん取材をすること
情報を引き出す「雑談力」
忘れられない選手の言葉

仕事を進める上で大切にしていること

 
 たくさん取材をすること。シンプルですが、それに尽きます。記者の仕事は、大きく分けると2つです。
 取材をすることと、原稿を書くこと。どちらが多いかと言うと、現場記者ならその割合は圧倒的に取材が占めます。9対1。いや、もっと取材の割合が多いかもしれません。

 しかし取材対象者(選手)の中には、口が重いタイプもいます。実名は差し控えますが、ゴールの感想を聞いても「よかったです」の一言で終わってすます選手も中にはいます。
 

 そんな選手から少しでもコメント(情報)を引き出す上で重要なのが、雑談力だと思っています。サッカーのことを聞いても会話が弾まないなら、いきなり家族のことを聞いてみるなど、角度を変えてみます。また趣味の話題から、一気に距離が縮まることもあります。試合後の取材一本勝負では困難ですが、練習から取材機会などのある場合は、まずは雑談することを心掛けています。
 

 新聞記者の仕事は取材です。是非、取材に基づいて書かれた私たちの原稿と、試合直後などにすぐネットに氾濫(はんらん)する原稿を、同じ競技、同じ試合などで読み比べてみてください。その違いに、必ず気づいていただけるはずです。

小林玲花

仕事の醍醐味

 取材では忘れられない瞬間に出合います。私の場合は2014年11月の浦和対G大阪戦。G大阪が敗れれば浦和の優勝が決まる中で、G大阪FW佐藤晃大選手が決めた得点です。
 

 この2年前、2012年にG大阪はJ2に降格。この年J2徳島から加入し、FWの軸として11ゴールを挙げたのが佐藤選手でした。しかしチームは低迷し、責任感の強い彼が追い詰められていくのは取材で感じていました。そんな中、無理な体勢でボールを追い、右ひざ前十字靭帯を損傷。残り5試合欠場し、迎えた降格に「おれのせいです…」と絞り出した言葉が、強く印象に残りました。
 

 チームは翌年J2で優勝、14年はJ1で優勝を争うまで復活。しかし長期のリハビリを経て復帰した佐藤選手は「前のように体が動かない」と苦悩していました。それでも途中出場した浦和戦、0―0の後半43分に決勝ゴール。埼玉スタジアムが静まり返った瞬間は、鮮明に覚えています。
 

 どん底に沈み、必死に這い上がる彼を取材していたことで、ゴールの瞬間は思わず記者席で叫びました。この年、G大阪は逆転優勝。「腐らずやってきてよかった」と笑った彼の言葉をメモした取材は、記者冥利に尽きる瞬間でした。

キャリア

教育学部卒
2005年4月:入社、大阪本社編集局運動部配属
2006年4月:大阪本社編集局校閲部
2008年1月:大阪本社編集局運動部プロ野球・オリックス担当
2010年1月:大阪本社編集局運動部プロ野球・阪神担当
2011年1月:大阪本社編集局運動部サッカー・ガンバ大阪担当
2014年6月:サッカーブラジルW杯取材
2017年1月:大阪本社編集局編集センタープロ野球・阪神担当
2018年1月:大阪本社編集局編集センターサッカー担当。ロシアW杯取材 

受験生へのメッセージ

 新聞記者は私にとって、とても魅力的な仕事です。

 私は単純ですがワールドカップに行きたいと思って新聞業界を目指し、幸運にもこれまで2大会を取材させてもらいました。それでもキャリアを重ねるほど、取材したいこと、書きたいことがたくさん出てきます。

 短いメッセージでその魅力をお伝えする筆力がないことをふがいなく思いますが、熱意あるみなさんと一緒に仕事できる日を楽しみにしています。

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