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直近半年間で、最もゴールを挙げている欧州組 ロッベンをしのぐ結果を残す19歳MF堂安律をロシアW杯に

2018年4月16日18時18分  スポーツ報知
  • 2017年5月、U―20W杯決勝トーナメントのベネズエラ戦で攻め上がる堂安律(左)

 ロシアW杯2か月前に起こった監督交代劇で、一気に注目が集まったサッカー日本代表。西野新監督が就任し、ハリルホジッチ監督からはやや冷遇されていたMF本田、香川らの“復権”が予想される状況となっている。しかし、どうしても思い出してしまう。14年のブラジルW杯、ザッケローニ監督の下、4年間熟成させた本田、香川中心のチームが、1分け2敗でグループリーグ敗退したことを。彼らの力を否定するつもりはない。しかし、彼らだけでは勝てなかったことも忘れられない。

 それでは今の日本代表に必要な選手は誰か。ハリルが見落としていた選手はいないのか。さまざまな意見はあると思うが、ここでは結果で語ってみたい。この半年間、欧州の各国リーグ戦で最もゴールを挙げている日本人を探した。昨年の11月以降の数字を調べてみると、4月15日のローダ戦でもゴールを決めたオランダ1部・フローニンヘンMF堂安律の7得点がトップだ。

 ベルギー1部・アンデルレヒト(前所属のベヘレン時代も含む)のMF森岡、ポルトガル1部・ポルティモネンセのMF中島、ドイツ2部・デュッセルドルフのFW宇佐美、オーストリア1部・ザルツブルクのMF南野が5点で続く。単純な比較は難しいが、名前を挙げた中で唯一日本代表歴がなく、最も若い19歳の堂安が結果を残していることは事実だ。

 G大阪から昨夏に海外移籍した堂安は、今季リーグ戦で計8得点。シーズン序盤こそ3か月でわずか1得点と苦しんだが、元来の明るさでチームに溶け込むと、今では押しも押されぬ攻撃の中心的存在だ。フローニンヘンでは、かつて在籍した元オランダ代表MFロッベン(現バイエルン)が10代(18歳)で挙げた6得点を上回ったことで話題になった。ロッベンは6得点を挙げた翌年、オランダ1部の強豪・PSVへと移籍を果たしている。現在はG大阪からの期限付き移籍中の堂安も、来季はさらに格上のクラブにステップアップを果たしても不思議はないほど、欧州では注目の若手となっている。

 G大阪でプレーしていたころから堂安の取材を続けているが、オランダで確実に成長を遂げていることは間違いない。G大阪ではプレーの連続性が不足し、試合中に“消える”時間帯が多かったが、フローニンヘンでは足が止まらなくなった。攻守で常にプレーに関与し、左足を駆使したテクニック、外国人選手のタックルをはじき返すフィジカルと、武器が十分に通用することを示している。

 ハリルホジッチ監督は継続して追いかけてきた選手を招集したため、ここ半年で結果を残した堂安の名前が挙がることはなかった。それでも堂安は常々「日本代表に入って、W杯にいきたい。準備はできています」と語っており、まだロシア行きをあきらめていない。昨年5月のU―20W杯、堂安がイタリア戦で4人抜きゴールを見せた際、当時技術委員長だった西野氏は「マラドーナかメッシを見ているよう」とたたえている。得点力、こわいもの知らずのメンタル、短期間でも成長が期待できる若さ。2020年東京五輪のエースとしても期待がかかる19歳の“サプライズ招集”を、期待せずにいられない。(記者コラム・金川 誉)

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