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引退を決めた横浜M・中沢佑二、被災地訪問で見た、その素顔

2019年1月9日14時59分  スポーツ報知
  • 現役引退を発表した中沢佑二

 横浜Mは8日、元日本代表DF中沢佑二(40)の現役引退を発表した。

 私が横浜M担当となり、約3か月経った2011年3月11日に東日本大震災が起きた。誰もが不安だった中、中沢は個人ですぐに動いた。「BOMBER22“みんなに笑顔を”プロジェクト」として、「被害が大きく、著名人やスポーツ選手が訪れていない」被災地を中心に訪問。継続的に支援を行い、昨年12月で第17回目となった。

 何度も同行取材し、時には移動の車に同乗させてもらったこともあった。道中、地元の特産物などを売っている店に立ち寄り、買い物をした際には「こうやってお金を使うことは、復興にもつながるからね」と話してくれた。

 夏には、約200人にかき氷を振る舞ったこともあった。現地関係者からは自動で作れる機械を勧められたが、中沢は「できることはやりたい」と手動のかき氷機を自ら豪快に回し続けた。その姿に人間・中沢佑二を見た気がした。

 中沢は「現役の選手が(被災地に)来るということは現地の人にとっては、ものすごく大きいことだと思います」と話していた。ただ、子どもたちを含め、現地の人たちにとって中沢はプロ選手を超えた存在だったはずだ。関係者も「サッカーのお兄さんという感じです」と親しみを込めた。これから先、“一般人”となっても、また違った形で被災地復興にも携わっていくことだろう。

 担当を離れた後も顔を合わせると「おっ、スパイ!」と満面の笑みで話しかけてくれた。現役引退は寂しいが、今後の活躍にも注目したい。(記者コラム・古川 浩司)

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