西野監督、予定変えてでも井手口「見たい」練習場で直接チェック

スポーツ報知
レオネサの練習で井手口(右)を視察した日本代表・西野監督(カメラ・金川 誉)

 【レオン(スペイン)30日=金川誉】日本代表の西野朗監督(63)が、スペイン2部・レオネサMF井手口陽介(21)を2日連続で電撃視察した。4月29日に井手口がベンチ入りしなかったレオネサ対コルドバ戦を視察して対話し、この日は別の場所へ移動する予定だったが、急遽予定を変更してレオネサの練習場へ。井手口のコンディションを実際の目でチェックし、期待の大きさをうかがわせた。

 スペインの首都・マドリードから約300キロ離れたレオンの郊外。付近には羊が放し飼いにされるなど、のどかなレオネサの練習場にスーツ姿の西野監督が降り立った。当初、この日はエイバルMF乾を視察予定だったが「やはり(井手口が)動いている姿を見たいと思った」と予定を変更。荒れたグラウンドで汗を流す井手口の姿を、じっと見つめた。

 4月29日の試合は出場がなかった井手口だが、約1時間の練習での動きをチェックし「ヤツは動ける選手だから。コンディションは問題なさそう」と西野監督はうなずいた。かつて10年間率いたG大阪は2011年限りで退団しており、14年に高校3年生でG大阪のトップチームに昇格した井手口は教え子には当たらない。しかし、予定を変更してまでの“生チェック”は、抜群のボール奪取力と、W杯アジア最終予選・オーストラリア戦で決めたミドルシュートなど得点力も備えるMFを高く評価していることをうかがわせた。

 今年1月、W杯半年前というタイミングで初の海外移籍を決断した井手口。レオネサでは出場わずか5試合と苦しんでいるが、全体練習後にひとりランニングのメニューを行うなど、状態の維持に努めてきた。新指揮官の視察に「遠いところまで会いにきてもらってありがたいです。(W杯の)メンバーに選んでもらえるかは分からないですが、しっかり準備しておきたいです」とキッパリ。西野監督は4月29日にも「(合宿に)集めてから、準備の段階でどれだけ上げられるか」と、約30人を呼んで今月21日からスタートする代表候補合宿への招集を示唆していた。

 ハリルホジッチ前監督(65)からは出場機会減のため3月の欧州遠征で招集外とされた21歳が、西野ジャパンのキーマンとなる可能性が出てきた。

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