森保監督、再開JヴィレッジでA代表合宿「必ずやりたい」

スポーツ報知
Jヴィレッジ再始動記念式典に参加した森保監督(右)と関塚技術委員長

 日本代表の森保一新監督(49)が28日、Jヴィレッジ(福島・広野町、楢葉町)再始動記念式典に出席した。同施設は、2011年3月11日の東日本大震災による福島第1原発事故の対応拠点となり利用停止に。この日約7年4か月ぶりに一部の施設が再開した。既に20年東京五輪のサッカー男女代表が練習拠点することは決定している。五輪世代のU―21日本代表も兼任する森保監督は、近い将来、A代表の合宿を実施して復興の一端を担うことを誓った。

 震災の起きた時刻と同じ午後2時46分。子供たちによるエキシビションマッチの開始と同時に、震災発生時に止まったスタジアムの時計の針が2696日ぶりに動き出した。Jヴィレッジにサッカーが戻ってきた。試合前の式典に出席した森保監督は、背筋をピンと伸ばした。「Jヴィレッジはサッカーを発信し、高めていく所。またサッカーで、ここから盛り上がりを創出し、発信していける日が来てうれしい」。言葉からは、代表監督としての復興へ思いがあふれ出た。

 97年に完成した施設は、東日本大震災による福島第1原発事故の対応拠点となり利用を停止されて、この日、一部が再開した。06年ドイツW杯前にジーコ・ジャパンが事前合宿を行い、育成年代の試合なども多く開催されるなど日本サッカーの発展を支え、森保監督もトレセンコーチ時代に何度も足を運んでいた。

 既に東京五輪代表の練習拠点となることが決まっているが、指揮官は、震災を風化させないためにもA代表の合宿開催も示唆した。「我々、日本代表もまたJヴィレッジで活動する機会があると思う。その時には多く方に見に来ていただいて、サッカーを発信できれば。まだまだ苦しんでいる方もいるので、勇気や励ましのメッセージになるよう頑張りたい」。サッカーで復興の一助になることを誓った。

 海外組が試合2、3日前に帰国することを考えれば、地理的なことも含め、難しい面もあるが森保監督は「日程調整して必ずやりたい」と約束した。日本サッカー協会の田嶋幸三会長(60)も「間違いなくここで合宿をします」と後押し。日本代表が再びJヴィレッジに帰ってくる日は遠くない。(斉藤 成俊)

 ◆Jヴィレッジ 97年、日本サッカー初のナショナルトレーニングセンターとしてオープン。敷地は福島・楢葉町と広野町にまたがる約49・5ヘクタール。02年日韓W杯ではアルゼンチン代表がキャンプ地とした。天然芝のピッチ11面のほか宿泊施設、プール、トレーニングジムなどを備え、なでしこリーグ・東京電力マリーゼ、06年開校の中高一貫のJFAアカデミー福島の拠点となっていた。震災後は東電が借り受けて作業員らの宿泊場所や休憩所、駐車場に利用された。16年11月に拠点としての役目を終え、この日は一部が、19年4月には全面的に再開予定。全天候型の練習場、宿泊棟が新設された。

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