森保監督、アジア制覇へ王手 途中出場上田がV弾!9・1日韓戦

スポーツ報知
後半33分、縦パスを受けた上田(左)が右足で先制ゴールを決める(カメラ・相川 和寛)

◆ジャカルタ・アジア大会 ▽男子サッカー準決勝 日本1―0UAE(29日、インドネシア・ボゴール)

 サッカー男子のU―21日本代表は、準決勝でU―23UAE代表を1―0で下し、初優勝した10年広州大会以来、2大会ぶりの決勝進出を決めた。0―0で迎えた後半33分に途中出場のFW上田綺世(あやせ、20)=法大=が決勝弾。決勝トーナメント(T)1回戦のU―23マレーシア戦に続く殊勲のゴールとなった。9月1日の決勝の相手はU―23韓国。アジアNO1を決める舞台で“日韓戦”が実現した。

 再びこの男が日本を救った。0―0の後半33分、MF渡辺が決死のスライディングでボールを奪うと、ゴール前のFW上田へ。右足で豪快に放ったシュートはバーに直撃しながらもゴールへ突き刺さった。「20歳になって最初の得点が、チームを勝たせる重いゴールになって良かった」。28日に20歳となったストライカーが、マレーシア戦に続く決勝点で勝利に導いた。

 3試合連続で森保采配が光った。決勝T1回戦では途中出場の上田が決勝PKをマーク。準々決勝のU―21サウジアラビア戦でも、劣勢だった後半に途中出場したMF遠藤とMF三好が流れを引き戻した。森保一監督(50)は「先発の11人だけで試合に勝つとは思っていない。サブの選手が試合を決める、締めくくる役割をやって初めてゲームに勝てる」と総力戦で勝ち上がってきた。

 「振り返るだけでも鳥肌が立つ」と話すのが、広島監督時代にG大阪と対戦した15年のチャンピオンシップ第1戦。2度リードされながらも後半ロスタイムに2得点を奪い、3―2で勝利した。この一戦でも途中出場のMF柏好文が1得点1アシストの活躍。「彼は甲府で残留争いや大学時代にも入れ替え戦を経験している。メンタルの強い彼がここぞの場面で大事になると思った」とあえてベンチに置き、勝負手として打った。この日、ゴールを決めた上田も強いハートの持ち主だからこそ、切り札として起用する。勝負どころを見極める力こそ、指揮官の真骨頂だ。

 決勝戦で日韓対決が実現。相手は2歳上のU―23代表に加え、オーバーエージでイングランド1部トットナムで活躍するFW孫興民(26)らを起用する豪華布陣だ。「U23の大会ですけど、アジア最高峰の戦いなんだと感じていただけるゲームをしたい」と指揮官。東京五輪世代が最強の敵に挑む。(井上 信太郎)

 ◆30日にインドネシアでA代表初発表

 〇…森保監督はA代表初陣となる9月の親善試合(7日・チリ戦、11日・コスタリカ戦)のメンバー発表を30日の日本時間午後1時からにインドネシア・ボゴールで行う。海外でのメンバー発表は異例。ロシアW杯に選出された主力の海外組の招集は見送られる可能性が高く、若手を中心としたフレッシュな構成となる見込み。

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