北澤氏から「ドーハの悲劇」戦友へ…「柔軟」森保なら兼任きっとできる

スポーツ報知
コスタリカ戦を前に笑顔で練習を見守る森保監督

 森保監督が11日のコスタリカ戦で初采配を振るう。1992年のオフト・ジャパン時代から日本代表としてともに戦った北澤豪氏(スポーツ報知評論家)が“戦友”へエールを送った。(構成・高橋 宏磁)

 いまだに忘れられない言葉がある。「ドーハの悲劇」と言われた94年米国W杯アジア最終予選の最終戦となった93年の日本対イラク戦。日本は2―2で引き分けて初のW杯出場を逃した。その試合を私は最後までベンチから見守った。先発で出た森保は試合後、私にこう言った。「キーちゃん(北澤氏の愛称)が試合に出れば良かったのに…」。即座に「何言ってるんだよ」と返したよ。「そんなこと言わなくていいのに」と思った。

 一緒に日の丸を背負って戦う戦友だけど、選手同士はあくまでもライバル。それはJリーグでも同じ。プロである以上、全員がライバルになる。当然、プライドが高くて自己主張の強い選手が多い。長かった現役生活の中で「キーちゃんが出れば良かったのに」なんて言われたのは、1回だけだね。92年からの長い付き合いになるけど、本当に優しくて、いいやつなんだ。

 他人のこともしっかり考えられる監督だから、選手のことも「駒」だとは考えない。その選手がどうやったら伸びるか、どう指導したら成長できるかを常に考えている。一部では「頑固」とも言われるけど他人の意見をしっかり聞ける人物。広島で3回リーグ制覇ができたのも「柔軟な姿勢」があるからだ。

 五輪代表とA代表の兼任は本当に大変だと思う。20年東京五輪があるし、W杯ではベスト16だったロシア大会以上の成績が求められる。かなり難しいミッションになると思うけど、森保ならできる。優しいけど1本芯が通っていて、柔軟性もある森保なら、きっとできると信じている。

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