南野、新エース弾「また代表のユニホームを着てゴールを」森保ジャパン“世代交代”に光

スポーツ報知
後半21分、南野はチーム2点目のゴールを決め、両手を広げて駆け出す(カメラ・竜田 卓)

◆国際親善試合 日本3―0コスタリカ(11日・パナソニックスタジアム吹田)

 森保ジャパンが3―0でコスタリカに勝利した。1―0の後半21分、代表3試合目で初先発したMF南野拓実(23)=ザルツブルク=が初得点を記録して22年カタールW杯のエース候補に名乗りを上げた。後半ロスタイムには途中出場のMF伊東純也(25)=柏=も代表初得点。MF中島翔哉(24)=ポルティモネンセ=、堂安律(20)=フローニンゲン=は不発に終わったが積極性で貢献。世代交代を目指す日本代表にとって経験の浅い2列目の選手たちの躍動は希望の光となった。

 新エースの一振りが森保ジャパンの“第1号”となった。オウンゴールで先制して迎えた後半21分。MF遠藤からのグラウンダーのボールをトラップすると、左足を振り抜き、DFバルガスの股間を抜いてゴールネットを揺らした。「股さえ通ればGKからは見えないなと思いました」。代表初先発で初ゴール。アシストした遠藤に飛びついて喜んだ。

 これまで代表出場はわずか2試合。時間にして計6分だった。初出場から3年目で初得点。台風21号で大阪・泉佐野市の実家も被害に遭った。「(2度目の招集から)空いた期間、悔しい思いはしましたけど、ここからなので」。15年11月のロシアW杯アジア2次予選以来の代表復帰戦で、自身にとって日本代表での始まりの一発。1点目はオウンゴールで、実質森保ジャパンの“第1号”となった。

 強心臓の若武者だ。C大阪でプレーした14年。試合中に元ウルグアイ代表MFフォルランにパスを出さなくて、ブチ切れられたことがある。だが、その際も決して動じることはなかった。15年からプレーするザルツブルクではピッチ外でもチーム最年長の選手を自ら誘い、食事に行くなど積極的な姿勢を見せてきた。「自分のことを分かってもらえることが大事。そのぐらいやっていかないと(海外に)住んでて楽しくない。もともと、そういう関係になるのが理想」。ハードワークを持ち味とする男が、やっと代表の舞台でスポットライトを浴びた。

 ザルツブルクでは欧州リーグに3度出場。トップ下で定位置をつかみ、評価は欧州で高まっている。18~19年季開幕前には欧州主要リーグの2チームからオファーが届いたほどだ。欧州では「ミナミノ」はメジャーになってきているが、日本代表ではまだこれから。「今日も満足していない。また代表のユニホームを着てゴールできればいい」。カタールへ向けて好スタートを切った森保ジャパン。23歳のアタッカーが新時代を切り開いていく。(恩田 諭)

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