堂安律が考える「どん欲」の意味 20歳MFがウルグアイ戦で先発へ

スポーツ報知
日本代表の堂安

 日本代表は16日、FIFAランキング5位、ロシアW杯ベスト8のウルグアイと埼玉スタジアムで対戦する。右MFでの先発が予想されるMF堂安律(20)=フローニンゲン=は、出場すれば国際Aマッチ3試合目。FWカバニ=パリSG=や、DFゴディン=Aマドリード=を擁する強豪との対戦に「こうして、トップトップの選手と対戦するのは初めてだと思うので。良い経験だけで終わってはダメだと思います」と語っていた。

 森保ジャパンではここまでの2試合で、MF南野、MF中島といった2列目の選手が得点。まだ無得点の堂安も当然、ウルグアイ戦ではゴールという結果を求めて、ピッチに立つことは間違いない。一方で南野らの活躍は刺激になるか、との問いには「刺激にはなっています。もちろん得点は一番のアピールポイントですし、でもそればっかり求めてもダメなことは分かっています」と答えていた。

 堂安はG大阪からオランダ1部・フローニンゲンに移籍した昨季、開幕からゴールで自身の力をアピールしたいと考える中で、リーグ戦6試合無得点という“産みの苦しみ”を味わった。しかしその焦りの中で「もしかしたら、おれの心の持ち方は、どん欲のとらえ方を間違えていたのかもしれない」ということに気付いたという。

 昨シーズン終了後、オランダで結果を出せた要因について、堂安はこんな話をしていた。

 「やっぱり最初は苦しかった。でも点を取れない時に、色々と考えたんです。まずおれがこのチーム(フローニンゲン)に来たのは、必要だと思ってもらえたから。そう考えたときに、まずチームを勝たせないといけない。その中で得点という仕事に専念したほうがいいのか、90分間チームのために働いた方がいいのか。いまだに試行錯誤ですけど、まず90分チームに貢献しようと思いました。それプラス、どん欲にいこうと。そうしたら得点も取れてきて、もっと取りたいと、もっとどん欲になれていったんです」

 前線の選手が認められるため、得点という結果が必要なのは世界共通だということは理解している。その上で「何でもいいから点を取って、というのも評価はされるんですよ。この世界で生きていくにはそれしかないんですけど、でもそうじゃない。複雑なんです」と笑っていた。

 昨季、まずはチームのために走り、戦う姿勢をみせることでチームメートに認められた。その結果パスが集まるようになり、得点も増えていった。終わってみればチームトップの9ゴールを挙げ、チーム内でエースとして認められた。堂安は昨季、フローニンゲンで行った“作業”を、日本代表でも体現していくはずだ。次世代のエース候補が、日本代表としてウルグアイを相手にどういったプレーを披露するか、注目が集まる。

(サッカー担当・金川誉)

サッカー

×