森保監督、職人肌GK求む「地味」でもプレー正確に 東口が守護神争い一歩リード

スポーツ報知
練習を行う東口(中)ら日本代表GK陣(左は権田、右はシュミット=カメラ・石田 順平)

◆国際親善試合 日本―ベネズエラ(16日・大分銀行ドーム)

 日本代表は14日、大分市内で非公開で16日のベネズエラ戦に向けて調整した。東口順昭(32)=G大阪=らGK陣はこの日引退会見を行った元日本代表GK川口能活(43)=相模原=の魂を受け継ぎ、アジア杯に挑むことを明言。2004年アジア杯(中国)で神懸かり的なセーブで日本を頂点に導いた“先人”の背中を追って、アジア王者になるべく、ゴールを死守していく。

 偉大な背中を追って、アジア杯へ加速する。日本を背負ってきた偉大な守護神に追いつけ、追い越せと東口、シュミット、権田が懸命にボールに飛びついた。くしくもこの日は元日本代表GK川口の引退会見の日。東口は「参考というか、憧れの方が強い。同じようにかっこいいセーブをしたいというのは子どもの頃からあった。でも難しいですね、同じプレーをするのは…」と先輩GKに思いをはせた。

 来年1月に控えるアジア杯。日本がアジア王者となる際には必ず守護神の活躍が不可欠だった。川口は中国で行われた04年中国大会の準々決勝、ヨルダン戦のPK戦で、崖っぷちから奇跡のセーブを連発。シュミットは「活躍がすごかった」と記憶に残っている。11年カタール大会では準決勝の韓国戦で川島永嗣(現ストラスブール)がPK戦で活躍し、勝利を呼び込んだ。

 ただ、森保ジャパンのGKに求められるのは“黒子”に徹し、きちんと役割を果たすことだ。森保監督を知る協会関係者は「GKには的確なポジショニング、相手との駆け引き、DFとのコミュニケーションなどを重視する」と話す。スーパーセーブなどの「派手」さは好まず、「地味」でも、一つ一つのプレーを正確にこなす職人肌を好む。今合宿に招集された3人もそうした基準で選出された。

 過去に日本でW杯のピッチに立ったのは川口と楢崎正剛(名古屋)、川島の3人だけ。「今少なくともこの日本代表に来ている3人が、日本にはもっとこういう(川口らと違うタイプの)選手もいるんだよ、というのを見せていかないといけない」と権田。Jリーグでは外国人GKが増えている現状もあるが、日本人も負けていられない。世代交代もあり、「変革期」が訪れている。

 現段階で森保ジャパンの正守護神は東口が一歩リード。まずはベネズエラ戦からアジア杯へのVロードを切り開く。(恩田 諭)

サッカー

×