山中亮輔「出来過ぎ」デビュー最速108秒弾

スポーツ報知
試合開始直後の前半2分、左足を振り抜き先制ゴールを決める山中(カメラ・石田 順平)

◆国際親善試合 日本4―0キルギス(20日・豊田スタジアム)

 DF山中亮輔(25)=横浜M=が開始1分48秒で代表初ゴールを奪った。2015年8月2日の東アジア杯北朝鮮戦(1●2)のMF武藤雄樹の2分35秒を塗り替える最速デビュー弾。MF原口元気(27)=ハノーバー=は前半19分、7月2日のロシアW杯決勝トーナメント1回戦のベルギー戦(2●3)以来となる通算8点目を直接FKで決めた。日本代表の直接FKでの得点は約5年ぶりだ。

 歴史を塗り替えた。開始1分48秒。ゴール前に走り込んだDF山中はFW杉本のパスに歩幅を合わせ、ダイレクトで左足を振り抜いた。「体が勝手に動いた」。鋭い弾道は右ポストに当たり、そのままネットを揺らした。DFの代表初戦での得点は史上初。さらに15年8月2日の東アジア杯・北朝鮮戦のMF武藤雄樹(浦和)の記録を更新する史上最速デビュー弾。抜てきした森保一監督(50)も両手をたたき、顔をほころばせた。

 7日のメンバー発表会見。森保監督は初招集の山中に対し、「左利きで攻撃的。スペシャルなものを持っている」と評価した一方、「波のある選手」とも付け加えた。本人も自覚済みで、「パフォーマンスを一定に保つため」と今季は“ルーチン”を取り入れた。

 試合2日前は炭酸水の交代浴を行い、試合前日は午後10時までに寝る。開始直前のロッカールームでは、「Mr.・Children」と「ONE OK ROCK(ワンオクロック)」を計6曲聴き込み、左足からピッチに入る。

 一定のリズムで、パフォーマンスを安定させた。代表期間中は交代浴などはできず「代わりに長めにお風呂につかりました」と笑うが、開始前のピッチでは普段通り目を閉じ「絶対に点を取る」と心の中で言い聞かせた。その108秒後、「出来過ぎ」という一撃を決めてみせた。

 16年リオ五輪は、大会直前に右太ももを負傷して落選。アジア杯に向け、左サイドバックは主力の長友や佐々木との定位置争いは激しいが、前半43分には約30メートルのFKを狙うなど持ち味を発揮した。「ストロングな部分は出せたけど、ミスもあった。地に足をつけて成長につなげたい」。金髪の残像は、指揮官とサポーターの脳裏に色濃く刻まれたはずだ。(田中 雄己)

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