ロシア組も元気です!原口が意地見せるFK弾

スポーツ報知
チーム2点目のゴールを決めた原口(右)は(左から)三浦、北川とハイタッチする

◆国際親善試合 日本4―0キルギス(20日・豊田スタジアム)

 この瞬間だけ表情を緩めた。前半19分、中央やや左からの直接FK。原口は右足でカーブをかけて相手GKのファンブルを誘い、ボールはゴールに転がり込んだ。13年9月6日のグアテマラ戦でMF遠藤保仁が決めて以来となる日本代表の直接FKゴール。思わぬ形で入り、首をかしげて照れ笑いを浮かべた。

 特長を存分に出した。「ユースの時ぐらいです」と言う直接FK弾も縦に仕掛けて得たファウルを決めた。同25分には左サイド深くまで進入し、ドンピシャのクロスを伊東に合わせるなど躍動した。攻守の切り替えはピッチ上で最も速く、格の違いを見せつけた。

 森保ジャパン2度目の活動になった10月からロシアW杯主力組が招集された。原口は10月12日のパナマ戦こそ先発したが、同16日のウルグアイ戦、今月16日のベネズエラ戦は途中出場。2列目は南野、堂安、中島が陣取っていた。ロシアW杯を主力として戦ったプライドがくすぐられ、キルギス戦に臨んだ。

 「悔しい気持ちだけだった。悔しさをどう表現するか。だからといって無理に仕掛けるとかはしない。自分ができることを表現しようとした」。熱い思いをコントロールし、途中交代した後半27分まで走り続けた。自分のことだけではない。「若い選手が多いから、いつもより声を出して、盛り上げよう」。DF槙野と話し合い、ベテランの役割もきっちりこなした。

 ブレることなく献身的なプレーに徹した。「自分は100%でやり続けないといけない選手」とよく言う。ハードワークは調子に左右されず、チームが苦しいときこそ真価を発揮する。貫禄を見せつけ、必要不可欠な選手だということを示した。「悔しさはアジア杯で晴らしたい」。あと1か月、今季移籍したハノーバーでも存在感を示し、先発の座を奪い返してみせる。(羽田 智之)

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