南米選手権にA代表で挑む 森保一監督「ズル賢さ学ぶ」

スポーツ報知
日本代表の来季年間スケジュール発表会見に登壇した各年代の代表監督ら(カメラ・田中 雄己)

 日本サッカー協会は11日、都内のJFAハウスで来年の日程発表会見を開いた。関塚隆技術委員長(58)は来年6月の南米選手権(ブラジル)にA代表で臨むことを初めて明言。海外組はシーズンオフ、Jリーグも開催中で選手招集が難しいが、22年カタールW杯での8強進出へ、森保一監督(50)はできる限り主力級選手を集めて南米の「マリーシア」(ずる賢さ)とテクニックを学ぶ考えだ。

 本場でA代表のサッカー脳を鍛える。日本協会は南米選手権にA代表で臨むことを決めた。森保監督は「南米の選手やチームが持っているもので、我々日本代表が身につけないといけないところがある。試合の流れを読んで勝ちきる。マリーシアという部分を学びたい」とテーマを掲げた。

 長らく日本の弱点となってきた脳内にメスを入れる。これまでは「マジメにやり通すのは日本人の良さだけど、局面で駆け引きすることも大事」とみて「臨機応変」を強く求めてきた。時には準備してきたプレーを捨てる選択や、勝っている時に時計の針を進めるプレーをすることなどで、南米の選手は小さいころから状況に応じた嫌らしいプレーが身についている。

 来年1月にはアジア杯に出場する。一時は同じ年に2度の大陸選手権に出場できないという見方があったが、自大陸以外の大会は選手の拘束力を協会が持たないだけで、出場自体は問題ないことが確認された。ただ海外組はオフに入り、未発表だがJリーグは中断しないとみられ、招集には選手ごとに所属クラブとの個別交渉が必要。それでも指揮官がA代表にこだわる背景には、特別な強化ができるからだ。

 日本はこれまで南米大陸では10試合で2分け8敗と未勝利だ。「アウェーでの貴重な強化経験の場となります。南米からはまだまだ学ぶことがある。個人のスキル、技術や判断力を上げていかないといけない。マリーシアという言葉があるが、日本は賢く戦いたい」と森保監督。W杯16強の壁を破るヒントが、そこにある。(内田 知宏)

 ◆南米選手権 南米連盟(CONMEBOL)が主催し、世界最古の代表チームによる大陸選手権。93年以降は南米連盟所属の10か国と招待の2か国が参加するスタイルになった。これまではメキシコや米国が頻繁に参加していたが、19年(第46回)大会は日本とカタールが招待された。12チームが3組に分かれ、2位以上と3位の上位2チームが決勝トーナメントに進出する。最多優勝はウルグアイの15回。

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