鈴木隆行氏がアジアを語る…「結果のみ求める相手に柔軟な対応を」

2019年1月9日6時8分  スポーツ報知
  • 04年7月、アジア杯・イラン戦の前半、シュートを狙う鈴木(左)

 アジア杯経験者が優勝するためのポイントを指摘する連載「アジアを語る」。最終回は日本が3度目の優勝を果たした2004年中国大会を、FW鈴木隆行氏(42)が振り返る。(取材・構成=岩崎 敦)

 04年大会は日中関係の悪化により、険悪な雰囲気に包まれていた。1次リーグ最終戦のイラン戦には超満員の3万人が来場。少数の日本人サポーター以外は、ほとんどが中国人だった。

 「1次リーグで開催国以外の試合が満員になることは経験がない。しかも、ほぼ全員がイランを応援していた。その異常さが今でも記憶に残っている」

 大会中は宿泊ホテルのロビーに中国人が集まり、走行中の代表バスには石が投げつけられた。窓ガラスにヒビが入るなど、ピッチの外でも緊張感が続いた。

 「ジーコ監督も興奮していた。ある試合で選手が1人乗っていないのに、中国関係者がバスを出発させようとしたら『絶対に出るな!』と、どなりつけていた」

 ただ、逆にチームの結束力は深まった。大会期間中の食事会場では、MF三浦淳宏が選手を集めて「オレは絶対に負けたくない。勝って日本に帰りたいんだ」と気合を入れた。

 「アツさんの言葉には燃えた。浮足立つ選手はほとんどいなかったし、自分も逆境の方がやる気が出るタイプだから」

 完全アウェーの決勝で中国を破って優勝を果たしたが、アジア杯では想定外のことが起こると痛感した。挑戦者として臨むW杯とは全く違う戦いに向け、森保ジャパンへの助言とは。

 「日本は、アジアでは優勝が期待される立場だから攻撃に比重を置きがちになる。ただ、相手にとっては守ってカウンターという作戦が立てやすい。現代表の前線の選手は少人数でも得点が狙えるため、守備的な選手はバランスを見ながらサポートにいけばいい。1点が重く、結果だけを求めてくるチームも多いので柔軟な対応が必要。ここからが真価を問われる戦いになる」=終わり=

 ◆鈴木 隆行(すずき・たかゆき)1976年6月5日、茨城・日立市生まれ。42歳。日立工から95年に鹿島へ入団。2000年8月から主力に定着しリーグ、ナビスコ杯、天皇杯の3冠に貢献。日本代表は01年4月のスペイン戦でデビューし、02年日韓W杯ベルギー戦でのゴールなど通算55試合11得点。J1通算108試合17得点。J2通算128試合24得点。家族は妻と1男1女。

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