【岩本輝雄のDirecto】苦しみながらの勝ち点3…難しい初戦での白星は非常に大きい

2019年1月10日7時15分  スポーツ報知
  • 後半26分、チーム3点目のゴールを決めた堂安(中央)を祝福する(左から)長友、原口

 ◆アジア杯1次リーグ第1戦 日本3―2トルクメニスタン(9日、アル・ナヒヤーンスタジアム)

 2011年以来2大会ぶりのアジア王者を目指す日本代表がトルクメニスタンの粘りに苦しみながらも初戦を白星で飾った。ロシアW杯メンバーの大迫勇也(28)=ブレーメン=の2ゴールと東京五輪世代の堂安律(20)=フローニンゲン=の芸術的ゴールで逆転勝ちした一戦を元日本代表MF岩本輝雄さん(46)は「研究され、苦しみながらの勝ち点3。試合自体は60点でも初戦に勝ったことが非常に大きい」と評価した。(構成・中村 健吾)

 予想以上にトルクメニスタンが日本の攻撃を研究していた。これまで後ろでうまく回しながら、真ん中から大迫勇也(28)=ブレーメン=、南野拓実(23)=ザルツブルク=、堂安律(20)=フローニンゲン=で突破できていたのが、今回は相手が5バックにして、守備を固めてきたことでスペースがなかった。試合後、森保一監督が「やりにくかった」と言ったように苦戦したのは事実だろう。

 それでも前半のボール支配率が日本71%、相手が29%という点からも分かるように、日本はずっとボールを回して、相手を走らせていた。前半、守られても後半は疲れてスペースが開いてくるだろうと言う狙い。試合は45分でなく90分。前半にあれだけボールを回されたら、相手は消耗する。後半にジャブのように効いてきて、90分もたないという点を日本はうまくついて、3点を取った。相手も研究してきたけど、日本もそれをうまく使ったと思う。

 長友佑都(32)=ガラタサライ=も33度という気温も考えて、前半はあまり上がらなかった。後半にゴール前に出ていく回数が増えたのも作戦だったと思う。長友が前線に入るようになってから左サイドのチャンスが、ぐっと増えた。

 1点目の大迫勇也(28)=ブレーメン=のシュートは素晴らしかった。ペナリティーエリアの中にあれだけ相手がいる中でトラップ、切り返し、シュートとパーフェクトだった。欧州のリーグでやっているから、プレッシャーも感じず、ああしたプレーができるのだと思う。

 原口元気(27)=ハノーバー=も前半は“消えていた”けど、後半、相手が疲れてスペースができてからは長友と組んで良くなった。堂安律(20)=フローニンゲン=も前半は苦戦していたけど、フリーになった初めての場面で3点目を決めるのは、さすがだと思う。あのシュートは簡単ではない。とてもうまかった。

 南野拓実(23)=ザルツブルク=は今一つだった。(故障離脱の)中島翔哉(24)=ポルティモネンセ=の不在は関係なく、とにかくスペースがなかったのが理由。いつもはスペースがある中での飛び出しを見せてきたので。

 吉田麻也(30)=サウサンプトン=らの守備陣は(PK以外)1点こそ取られたが安定していた。冨安健洋(20)=シントトロイデン=をボランチで使うとは思わなかったが。高さもあるから潰し役として、森保監督が慎重にいった起用なのかと思う。ただ、運動量も豊富ですごく良かった。

 ただ、今日のような引いてきた相手に対しては青山敏弘(32)=広島=と柴崎岳(26)=ヘタフェ=をダブルボランチで組ませて、柴崎がスムーズに前に入る手もあったかと思う。試合途中からでもいいが、そうしていたら、前にスムーズにボールを運べたかも知れない。

 今後の相手・オマーンもウズベキスタンも引いてくる時間と前に出てくる時間があると思う。研究もしてくるけど、日本もメンバーを替えて対応していくだろう。

 とにかく、難しい初戦を取ったのは非常に大きい。勝ち点3をしっかり獲るという目的は果たせた。ただ、内容的にはクエスチョンもあって採点すると60点。もっと圧勝するかと思った中、苦戦したし、勝ち点3を取ったのはラッキーな点もある。いい時の日本を知っているから、70、80点という点数は付けられない。

 今までのアジア杯はスムーズに予選を突破した時ほどベスト8止まり。苦しんだ時ほど優勝したりする。オーストラリアやタイが負けたり、韓国が苦戦している今大会だけに日本もそんなに簡単にはいかない。かなり研究されているのは事実だし、FIFAランキングは関係ない戦いが今後も続く。

(題名のDirecto・ディレクト=スペイン語で「直接、まっすぐに」の意味)

SAMURAI BLUE 岩本輝雄のDirecto
サッカー日本代表
注目トピック