中央に固執消えた南野…アジア杯初戦で不発の新エースを担当記者が分析

2019年1月11日6時8分  スポーツ報知
  • 9日のトルクメニスタン戦、ゴール前で連係がとれず悔しがる南野

 ◆アジア杯1次リーグ第1戦 日本3―2トルクメニスタン(9日、UAE・アブダビ、アル・ナヒヤーンスタジアム)

 日本代表はアジア杯初戦で、トルクメニスタン戦に3―2と逆転勝ちした。リードを許した展開から、FW大迫勇也(28)=ブレーメン=の2ゴール、MF原口元気(27)=ハノーバー=も2得点に絡むなど、ロシアW杯メンバーが結果を出す中で、新エースとして期待のかかるMF南野拓実(23)=ザルツブルク=は輝けず。南野が乗り越えるべき壁を、金川誉記者が新コラム「読み解く」で分析した。チームは10日、アブダビで練習し、トルクメニスタン戦のスタメン11人は休養し、残りの12人は13日のオマーン戦に向け調整した。

 「逆転し勝ちきれたのはすごく重要。次に向けて、準備していきたいと思います」。そう前向きに語り、バスへと向かおうとした南野を、取材エリアで呼び止めた。先発で唯一、後半27分に途中交代。個人としては結果を残せなかった新エース候補にどうしても聞きたいことがあったからだ。

 前半、5バックながらDFラインを高く保っていた相手に対し、南野は裏のスペースを狙う姿勢を見せていたが、途中からその動きが見えなくなった。なぜなのか。南野は「いい形でパスが出なかったのと、自分がボールを触らないとリズムが出ないと思った。前半の途中からは、中央でパスを受けて、自分が前を向いて運べれば、と思ってやっていました」と語った。狭いスペースでパスを受け、ターンからのシュートは南野の持ち味。しかし、相手の人数が多い中央で、潰されるシーンばかりが目立った。

 一方で左MFとして先発したMF原口は、前半こそ存在感が薄かったが、後半に入ると修正。左サイドに大きく開いてパスを受け、攻撃の起点に。さらに判断よく大迫にパスを通し、先制点をアシスト。2点目の場面では、サイドで幅を取ってDF吉田からのロングボールを引き出し、ワンタッチでDF長友につなぎ、逆転ゴールにつなげた。

 選手がトルクメニスタン戦後に語った苦戦の理由で、多かったのが「きれいなサッカーをやろうとしすぎた」ということ。つまり日本での親善試合で見せていたような、中央でのコンビネーションでゴール前を崩すサッカーにこだわり過ぎたという意味だろう。南野はその象徴的存在になってしまった。

 裏が空いている、という思いを持ちながら、うまくいかない状況の中で得意なプレーに固執した南野。一方で、原口はサイド、中央でのプレーを使い分けて、駆け引き上手な一面を見せて得点に絡んだ。ロシアW杯など大舞台を経てきた選手たちと、これがA代表として初の国際大会となる南野の経験の差は、そう簡単には埋まらない。しかし、トップ下としてゴールという仕事を任される南野の“覚醒”は、アジア制覇に向けたキーポイントになると感じている。(金川 誉)

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