森保ジャパン、アジア杯優勝への3つの条件とは ラッキーボーイは誰だ

スポーツ報知
14日の練習でボール回しで軽快に動く(右から)武藤、乾、伊東(カメラ・竜田 卓)

 日本代表は15日、1次リーグ第3戦のウズベキスタン戦(17日)が行われるアルアイン近郊で練習を行った。すでに1次リーグ2連勝で決勝トーナメント(T)進出を決め、森保一監督(50)は第3戦での大幅な先発メンバー入れ替えを示唆している。過去、日本が優勝したアジア杯の各大会では「精神的支柱の存在」「新戦力のブレイク」「控え組からの台頭」という3つの条件がそろっていた。ウズベキスタン戦は、3つ目のピースを探る重要な一戦となる。

 決して消化試合ではない。森保監督が「総力戦で戦っていくということで、できれば全員使いたい」と先発の入れ替えを示唆しているウズベキスタン戦。MF青山は「使うに値すると思われるように、みんなアピールしないといけない。テストだと思う」と話した。グループ1位通過がかかることは当然。さらに誰が控え組から決勝Tで戦力になれるのかの“テスト”が、第3戦の大きなポイントだ。

 2000年以降、3度の優勝を果たしている日本代表。その3大会をひもとくと、3つの“必須条件”を満たした時、頂点まで上り詰めている。

 一つは精神的支柱の存在だ。04年、PK戦となった準々決勝でのヨルダン戦。緩いピッチに足を取られて2人が外したところで、主審にゴールのサイド変更を要求したのが主将のDF宮本だった。その主張が通り、GK川口の好セーブもあってPK戦を制し、優勝まで駆け上がった。経験と冷静な目を持つ存在が、大会を通じて果たす役割は大きい。今大会では主将のDF吉田や長友が、時に厳しい言葉でチームを引き締めつつ、その役を担う。

 2つ目、チームに勢いをもたらす、新戦力のブレイクも欠かせない。11年は当時21歳のMF香川と、22歳の吉田がレギュラーに抜てきされ、優勝に貢献。今大会ではともに20歳のMF堂安とDF冨安がレギュラーに。東京五輪世代の2人が、飛躍の可能性を感じさせている。

 そして今大会、まだ見えてこないのが3つ目の「控え組からの台頭」だ。過去に決勝で試合を決めるゴールを挙げたのは、00年MF望月、04年MF中田浩、11年FW李と、大会を通じてレギュラーではなかった選手だ。今大会はベンチからFW北川や武藤がチャンスを得ているが、いまだ存在感は発揮できていない。追加招集のMF乾やDF塩谷ら、経験と実績は十分に備える控え組。ここからアジア杯の“ヒーロー候補”が出てくることが、アジア制覇に向けて必要不可欠だ。(金川 誉)

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