【岩本輝雄のDirecto】スピード抜群だった伊東と室屋の右サイド…決勝Tでも貴重なパーツに

スポーツ報知
決勝トーナメント進出を決め、笑顔を見せる(左から)室屋、勝ち越しゴールの塩谷、同点ゴールの武藤、青山

◆アジア杯1次リーグ第3戦 日本2―1ウズベキスタン(17日、カリファ・ビン・ザイードスタジアム)

 2011年以来2大会ぶりのアジア杯優勝を目指す日本代表が3連勝で決勝トーナメント(T)進出を決めた。13日のオマーン戦からスタメン10人を入れ替えて臨んだ一戦。元日本代表MF岩本輝雄さん(46)は難敵・ウズベキスタンに先制されながら逆転勝ちを収めた要因に右サイドを切り裂いた伊東純也(25)=柏=と室屋成(24)=F東京=のスピードを挙げた。(構成・中村 健吾)

 相手にも先制ゴールのショムロドフ(23)他、いい選手がいる中、内容のある試合だった。スタメン10人を替えて臨んだ一戦だったが、最大の勝因は右サイド。後半の日本の怒濤の攻撃の際の伊東と室屋のスピードは強烈だった。

 一番目立ったのは伊東の抜群のスピード。決勝Tでも後半、相手が疲れた時に投入されたら、あのスピードは効くし、脅威になるだろう。

 ダブルボランチの塩谷司(30)=アルアイン=と青山敏弘(32)=広島=のコンビも良かった。広島時代から一緒にやっているから、お互いに良く分かっている。柴崎岳(26)=ヘタフェ=の技術も抜群だけど、青山のパスセンスはチーム一、二を争うくらい。パス出しも何気なくやっているが、前線の選手が受けやすいタイミングでボールを出すことができている。

 青山は本当に落ち着いていて、チームに良いリズムをもたらしていた。急に代表に呼ばれた塩谷も左足の強烈な決勝ゴールという大仕事をした。青山との連携も素晴らしかった。

 武藤嘉紀(26)=ニューカッスル=のゴール前での能力も目立った。結果を出すのは、さすがプレミアリーグ(所属)という感じ。乾貴士(30)=ベティス=はいい時のプレーを知っているだけに、もちろんうまかったけど、まだ100%ではないかな。いい時はもっとペナルティーエリアの中で決定的な仕事ができる。彼本来の左サイドから中に入っていってのシュートとかパスが今日はそれほど決定的なシーンを作ることがなかった。ただ、いい時の彼のレベルに到達していないというだけで全く心配はしていない。今日1試合出たことで次は、もっと良くなると思う。

 槙野智章(31)=浦和=と三浦弦太(23)=G大阪=が振り切られての失点のシーンは、それほど気にすることはない。どの試合でも1試合の中でああいうことは起こる。あの場面はショムロドフのシュートがうまかった。

 今日のスタメン入れ替えで、これまで出ていなかった選手がそれぞれ持ち味を発揮したのは大きい。勝ち点3を取るのと引き分けで終わるのは全く違うから。ウズベキスタンに普通に勝ったのは大きいと思う。

 3連勝でのグループリーグ突破は日本の実力からしたら想定内。決勝含め残り4試合あるので、森保一監督も決勝Tではメンバーをうまくミックスさせていくはず。

 スタメンは、ほぼ初戦のトルクメニスタン戦のメンバーで行くと思う。大迫勇也(28)=ブレーメン=を決勝Tで見たいが、右でん部の故障で間に合わない場合、武藤でも十分、活躍すると思う。左サイドは原口元気(27)=ハノーバー=だろう。

 今の日本は決勝Tの相手がどこでも気にすることはない。個人的にはソン・フンミン(26)=トットナム=がいて、フィジカルの強い韓国との激突が楽しみだ。

(題名のDirecto・ディレクト=スペイン語で「直接、まっすぐに」の意味)

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