イラン完封の立役者・冨安健洋、抜群の安定感 長友が麻也が絶賛する理由

スポーツ報知
後半、イランのアズムン(左)を完全に封じ込めた冨安

◆アジア杯▽準決勝 日本3―0イラン(28日、UAE・アルアイン)

 FIFAランク50位の日本は同29位のイランを3―0で下し、優勝した11年以来2大会ぶりの決勝進出。対アジアの公式戦39戦無敗だったイランに完勝して史上最多5度目の優勝に王手。DF冨安健洋(20)=シントトロイデン=は、今大会センターバックとして出場した4試合すべて無失点。安定感抜群のDFをチームメートが絶賛した。

 無失点勝利の立役者は、紛れもなくDF冨安だった。圧巻プレーの連続で、ここまで5戦で最多12得点を誇っていたイラン攻撃陣を無力化。「自分のプレーに集中することだけを意識した。(無失点は)僕だけの力ではない」と謙虚に語った20歳のポテンシャルは末恐ろしい。

 「強い・速い・うまい」の三拍子がそろったアジア最強FWアズムンを、全ての面で上回った。ロングボールをことごとくはね返し、スピード勝負にはベテラン選手のような鋭い読みと的確なポジショニングで対応。アズムンは何もできなかった屈辱のあまり“暴徒化”し、我を見失った。冨安がセンターバックとして出場した4試合は全て無失点。相手にロシアW杯メンバーが19人いても、平均身長183・3センチ(日本は179・5センチ)の“人間山脈”を目がけたロングスローの嵐が続いても、何のダメージにもならなかった。

 センターバックでコンビを組んだDF吉田は「難しいボールの処理がうまい。ソツなくプレーしている。経験を重ねないとできないことを20歳でできているのがすごい」と驚嘆。DF長友は「スーパープレーの連続でした。規格外。どんどん成長して、ビッグクラブで戦える選手になってほしいですね」とうなずき「彼…すごいよなあ。本当に…」と笑顔でため息をついた。

 諸先輩の高評価を伝え聞いた本人は「いや…。不安が全くないわけではなかった。(準々決勝の)ベトナム戦でも相手の10番に2~3回シュートに持っていかれていますし」と当惑したが「無失点に抑えるというテーマは変わらない。みんなで優勝したい」と誓った。規格外のチーム最年少は、決勝の舞台でも大胆不敵な面構えで日本ゴールを守り抜く。(岡島 智哉)

 ◆冨安 健洋(とみやす・たけひろ)1998年11月5日、福岡市生まれ。20歳。小学生の時にサッカーを始め中学、高校はJ2福岡の下部組織でプレー。高校2年10月に天皇杯でトップチームデビュー。18年1月にベルギー1部シントトロイデンへ移籍。14年U―16選手権、16年U―19選手権、17年U―20W杯など日本代表で主力を務め、18年A代表デビュー。代表通算8試合1得点。188センチ、78キロ。右利き。

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