カタール代表、準決勝4―0大勝の裏に隠された「3つの弱点」森保ジャパンは勝てる! 

スポーツ報知
ハイボールをはね返す吉田

◆アジア杯 ▽決勝 日本―カタール(2月1日・アブダビ)

 日本代表は2月1日、2大会ぶりのタイトル奪還をかけたアジア杯決勝でカタールと対戦する。カタールは29日の準決勝UAE戦で4―0の圧勝。準々決勝で韓国を破った勢いのまま、元日本代表監督アルベルト・ザッケローニ氏が率いるUAEを破り初の決勝進出を決めた。しかし現地で同戦を“偵察”した岡島智哉記者は、カタールの実力に疑問を抱き、「日本は勝てる」と断言。4―0の大勝の裏に隠されたカタールの弱点を「見た」。

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 会場を包囲した“敵襲”の圧力に屈せず、カタールが決勝進出を決めた。政治的理由により国交断絶中の両国の対決。得点を重ねる度に、UAEサポーターがペットボトルや靴をピッチに投げ込む異様な雰囲気の中、孤立無援の戦いを制して4発大勝。サンチェス監督は「選手を誇りに思う」と喜んだ。

 これで今大会6試合で16得点無失点と攻守ががっちりかみ合う。しかし日本の行く手を阻む難敵だとはどうしても思えなかった。大勝の裏に隠されたカタールの「3つの弱点」を列挙したい。

 ◆連携の欠如

 96年大会のイランFWアリ・ダエイに並ぶ大会8得点FWアリ、8アシストのMFアフィフは要警戒だ。しかしこの2人を除き、日本の脅威になる存在は見当たらなかった。2人に負けじと個の能力を示そうするが、いかんせん能力が足りない。「1+1を3にする」ような連携はなく、2人を生かすおとりの動きも少ない。アリのスーダンをはじめ、アルジェリア、イラクなど他国にルーツを持つ選手が多数。帰化による“補強”を積極的に行っているが、かえって連携の欠如を招いているのかもしれない。今大会無失点の吉田&冨安のセンターバックコンビを中心にキーマン2人を封じれば問題ない。

 ◆足りない集中力

 中東のチームでありがちな「集中力の欠如」が試合中に何度も見られた。何でもないパスミスから速攻を浴びる場面が散見された。攻撃時に守備陣形を整理するような動きは見られず、全員がボールウォッチャー。セットプレーでも簡単にマークを外した。攻勢の展開でDF冨安にあっさりとCKから得点を許したサウジアラビア、FW大迫に先制点を与えた後に我を失ったイランと通じるものがあった。

 ◆日本の圧倒的“ホーム”

 国交断絶により、カタール人のUAEへの入国は原則禁じられている。決勝は日本の圧倒的ホームとなるはずだ。審判が圧に流される「中東の笛」も起きにくい。また、強力な援軍が加わる可能性も。UAEの地元記者は「決勝のチケットを持っているUAE人は多い。みんな日本を応援するよ。あの国の優勝は見たくないから」と断言した。

 無論、油断は命取り。カタールの主力2人が出場停止だった事情もあるし、日本がイラン戦のような好パフォーマンスを示すことが前提の話だ。日本はカタールと8試合で2勝4分け2敗と五分だが、ここ6試合は負けなし。気負うことはない。普段通りの力を発揮すれば、歓喜の瞬間は日本に訪れるはずだ。(岡島 智哉)

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