森保ジャパン、アジア準V…南野弾も3失点完敗で初黒星

スポーツ報知
前半12分、アリ(左手前)に先制ゴールを許し、遠くを見つめる森保監督(カメラ・竜田 卓)

◆アジア杯 ▽決勝 日本1―3カタール(1日、UAE・アブダビ)

 FIFAランク50位の日本は同93位のカタールに1―3で敗れ、2大会ぶり5度目の優勝はならなかった。0―2の後半24分にMF南野拓実(24)=ザルツブルク=の得点で反撃したが、同37分にビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)判定からPKを献上して万事休す。日本が決勝で敗れたのは5度目で初めて。森保一監督(50)は就任12試合目で初黒星となり、カタールが初優勝を果たした。

 大会5度目の決勝にして初めて敗北を伝える笛が鳴った瞬間、南野は唇をかみしめ、吉田は首を振り、大迫は「W杯、アジア杯と悔しい思いしかしていない」と髪をかきむしった。森保監督は「非常に残念。相手の方が強かったということ」と潔く負けを認めた。

 後半36分。追い上げムードが絶望に変わった。プレーが切れた瞬間、イルマトフ主審が手で四角を描きVAR判定へ。相手のクロスに対応した際、吉田のハンドが認められた。PKを決められ、痛恨の3失点目で試合は決した。前半12分、漫画のようなオーバーヘッドでアリに先制点を許すと、同27分にミドルシュートを決められた。ミスで時間を消費し、後半24分に南野が1点を奪っただけにとどまった。

 森保監督はデータより信念を貫いた。日本サッカー協会はコンディショニング管理がうまくいかなかった06年ドイツW杯の反省から、移動を伴う国際トーナメント大会について戦い方の分析を本格化させた。10年南アフリカW杯では試合2日後に休養日を入れ、回復の時間を設けて16強に進出。ただ、中4日で迎えた決勝トーナメント1回戦のパラグアイ戦でPK戦の末に敗れた。

 選手への聞き取り調査では予想外の返答があった。「全く動けなくなった」「エネルギーが枯渇していた」。協会が出した結論は、勝ち進むためにはメンバーを大幅に入れ替える「ターンオーバーが必要」というもの。準々決勝までの間に2度行うか、試合ごとに複数のメンバーを入れ替えながら戦う方策をまとめた。

 データは森保監督にも伝わっていたが、指揮官は若い選手の成長を促した。ターンオーバーはウズベキスタン戦の1回だけ。オマーン戦は試合をコントロールし、サウジアラビア戦は支配率23・7%ながら守備意識をチームで統一させた。南野、堂安はアジアで光る難しさを痛感し冨安は力を証明した。「成長しながらタイトルを」という指揮官の考えは、一定の成果を得たが優勝には届かなかった。

 代表史上初めて先発11人が海外組で占められた大一番で、11年以来2大会ぶりの優勝を逃した。次の代表活動は3月の親善試合。6月には南米選手権(ブラジル)も控える。指揮官は「大会を分析して、次にステップアップしていきたい」と雪辱を誓った。

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